【初心者向け】退去日と引っ越し日が違う！家賃の日割りで損を防ぐ具体的な手順を徹底解説

ステップ1	新居探しと並行して、まず現在の賃貸契約書で「解約予告期間」を再確認する。
ステップ2	新居の入居審査に通過したら、すぐに旧居の解約手続きを開始する。
ステップ3	あえて退去日と引っ越し日を数日間ずらし、作業に余裕を持たせる。
ステップ4	料金が安い平日を狙って、早めに引っ越し業者を予約する。

ステップ1 新居探しと並行して現在の賃貸契約の退去予告期間を再確認する

まず最初に行うべきことは、今すぐ現在住んでいる家の賃貸借契約書を取り出し、「解約予告期間」が何ヶ月前かを確認することです。

ほとんどは「1ヶ月前」ですが、物件によっては「2ヶ月前」、稀に「3ヶ月前」というケースもあります。この期間を把握しないまま新居を決めてしまうと、旧居の解約が間に合わず、数ヶ月分の家賃を余分に支払うという最悪の事態になりかねません。

新居探しを本格的に始める前に、必ず確認しましょう。

ステップ2 新居の入居申し込みと同時に旧居の解約手続きを開始する

理想的な流れは、新居の入居審査に通って契約日が確定する見込みが立ったタイミングで、すぐに旧居の解約通知（退去届）を出すことです。

新居の契約が「完全に」終わるのを待っていると、その分だけ解約通知が遅れてしまいます。もちろん、新居の審査に落ちるリスクもゼロではありませんが、多くの不動産会社では申込時に審査通過の可能性をある程度教えてくれます。

このタイミングを逃さないことが、家賃の重複期間を最短にするコツです。

退去日と引っ越し日をわざと数日間ずらすことのメリットとデメリット

退去日と引っ越し日を完全に同じ日にすると、スケジュールが非常にタイトになります。

朝から荷物を運び出し、部屋を掃除し、管理会社の退去立ち会いを済ませ、新居に移動してまた荷物を運び入れる…というのは想像以上に大変で、トラブルの元にもなりかねません。そこで、あえて引っ越し日を退去日の数日前に設定することをおすすめします。

例えば、退去日を月末31日に設定し、引っ越し日を28日にするなどです。数日分の二重家賃は発生しますが、旧居の掃除を余裕をもってできたり、忘れ物がないかゆっくり確認できたりと、精神的な余裕が生まれるメリットは非常に大きいです。

引っ越し業者を予約する最適なタイミングと家賃節約の関係性

引っ越し業者の予約は、料金が安くなる傾向にある平日を狙うのが基本です。

特に、3月〜4月の繁忙期は料金が高騰し、予約も取りにくくなります。退去日と引っ越し日の候補がいくつか挙がった段階で、複数の引っ越し業者、例えばアリさんマークの引越社や日本通運などに一括で見積もりを依頼し、料金とスケジュールを比較検討しましょう。

引っ越し日を業者側の都合の良い日に合わせることで、料金を割り引いてもらえることもあります。浮いた引っ越し代を、重複した家賃に充てると考えれば、トータルでの出費を抑えることができます。

退去日と引っ越し日が違う場合に発生する各種手続きの正しい順番

引っ越しは家賃の支払いだけでなく、様々な手続きが伴います。退去日と引っ越し日が違う場合、どのタイミングで何をすればよいのか混乱しがちです。ここでは、手続きをスムーズに進めるための正しい順番を解説します。

旧居の解約予告と新居の賃貸契約はどちらを先に進めるべきか

これは多くの人が悩むポイントですが、答えは明確です。基本的には、「新居の入居申し込みをして、審査通過の見込みが立った段階で旧居の解約予告をする」のが最もリスクが少なく、効率的な順番です。

先に旧居の解約予告をしてしまうと、万が一、良い新居が見つからなかったり、審査に落ちてしまったりした場合に、住む場所がなくなってしまう「家なき子」状態になるリスクがあります。

必ず、次の住まいにある程度の目処をつけてから、現在の住まいの解約手続きに入るようにしましょう。

電気ガス水道などライフラインの停止と開始手続きで違う日にする時の注意点

退去日と引っ越し日が違う場合、電気・ガス・水道などのライフラインの手続きは少し注意が必要です。

旧居の停止日は「退去立ち会い日」に設定し、新居の開始日は「引っ越し日（入居日）」に設定するのが一般的です。特に、旧居の電気は掃除機を使ったり、夜間に作業したりする可能性を考えて、荷物をすべて運び出した日の夜、または退去立ち会い日当日に停止するよう手配すると安心です。

ガスの閉栓・開栓には立ち会いが必要な場合が多いので、1〜2週間前にはガス会社へ連絡し、予約しておきましょう。

市役所で行う転出届と転入届は引っ越し日を基準に手続きを進める

役所での住所変更手続きは、契約日や退去日ではなく、実際の「引っ越し日」を基準に行います。

• 転出届：旧住所の役所へ、引っ越しの14日前から当日までに提出し、「転出証明書」を受け取ります。
• 転入届：新住所の役所へ、引っ越した日から14日以内に「転出証明書」と本人確認書類などを持参して提出します。

生活の拠点が実際に移った日を基準にすると覚えておきましょう。

郵便局への転送届は新しい住所と引っ越し日が決まったらすぐに行うこと

古い住所に送られてくる郵便物を新しい住所に1年間無料で転送してくれる「転送サービス」は、非常に重要です。

この手続きは、新居の住所と引っ越し日が確定したら、すぐに申し込むことができます。インターネットの「e転居」サービスを利用すれば、スマートフォンやパソコンから24時間いつでも手続きが可能ですし、もちろん郵便局の窓口でも申し込めます。

忘れると重要な書類が届かなくなる可能性があるので、引っ越し業者の手配と同時に行うくらいの気持ちで早めに済ませておきましょう。

退去日と引っ越し日が違う状況でかかる家賃以外の費用も正確に把握しよう

引っ越しにかかる費用は、家賃だけではありません。退去日と引っ越し日が違うことで影響を受ける可能性のある、その他の費用についても全体像を掴んでおくことで、より正確な予算計画を立てることができます。

旧居の退去時に発生する可能性がある原状回復費用やハウスクリーニング代

退去時には、部屋を入居時の状態に戻す「原状回復」の義務があります。これは、あなたが故意や不注意でつけてしまった傷や汚れの修繕費用のことで、敷金から差し引かれたり、別途請求されたりします。

また、契約書に「退去時に専門業者によるハウスクリーニング代を借主が負担する」という特約が記載されていることも多いです。退去日と引っ越し日が別であれば、自分で掃除する時間が確保できるため、不要な修繕費用を請求されないよう、できる限り部屋を綺麗にしておくことが大切です。

新居の契約時に必要な敷金礼金や仲介手数料といった様々な初期費用

新居を契約する際には、家賃の前払いや日割り家賃とは別に、多くの初期費用が必要です。

代表的なものに、大家さんに預ける保証金である「敷金」、大家さんへのお礼である「礼金」、不動産会社に支払う「仲介手数料」があります。その他にも、鍵の交換費用や火災保険料、保証会社への加入料など、合計で家賃の4ヶ月分から6ヶ月分程度が必要になるのが一般的です。

家賃の二重払いとは別に、このまとまった費用を用意しておく必要があることを忘れないでください。

引っ越し業者に支払う料金は依頼する曜日や時間帯によって大きく変動する

引っ越し業者に支払う料金は、荷物の量や移動距離だけでなく、引っ越しを行う日によって大きく変わります。

一般的に、土日祝日や月末、そして3月〜4月の繁忙期は料金が高く設定されています。逆に、平日の午後便などを利用すると、料金を安く抑えられることがあります。

退去日と引っ越し日をずらすことで、あえて料金の安い平日を引っ越し日に設定するという戦略も、トータルの費用を節約する上で非常に有効です。

【成功事例】退去日と引っ越し日が違う状況で家賃の日割りを実現したケース

理論だけでなく、実際に家賃の節約に成功した人の事例を知ることは、あなたの行動の大きなヒントになります。ここでは、賢い立ち回りで家賃の二重払いを回避できた具体的なケースを3つご紹介します。

早めの行動で管理会社との信頼関係を築き日割り交渉を有利に進めたAさんの事例

Aさんは、転勤が決まった2ヶ月前にはすぐに現在の住まいの管理会社に連絡を入れました。

「まだ確定ではないのですが」と前置きしつつ、転勤の可能性があること、もし決まった場合は退去月の家賃を日割りにしてもらえないかと事前に相談しました。この早めの相談が功を奏し、管理会社側も次の入居者募集の準備を早く始められると好意的に受け止めてくれました。

結果的に、Aさんが希望する退去日での日割り家賃を快く承諾してもらえ、無駄な家賃を一切払わずに済みました。

賃貸借契約書の特約を根拠に退去月の家賃を日割り計算に成功したBさんの事例

Bさんは、退去を決めた際にまず賃貸借契約書を丹念に読み返しました。

すると、契約書の解約条項の中に「解約月の賃料は日割りにて計算する」という一文を発見しました。管理会社に解約を申し出た際、最初は「月末までの家賃が必要です」と言われましたが、Bさんは冷静に「契約書の第〇条に日割り計算と記載がありますので、ご確認いただけますでしょうか」と伝えました。

この明確な根拠があったため、管理会社もすぐに誤りを認め、無事に日割り計算での支払いが認められました。契約書の確認がいかに重要かを示す良い事例です。

新居探しでフリーレントを活用して実質的な家賃重複をゼロにしたCさんの事例

Cさんは、旧居の契約が「月割り」で日割り交渉が絶望的な状況でした。

そこでCさんは作戦を変更し、新居探しにおいて「フリーレント1ヶ月付き」の物件に絞って探しました。結果的に、希望のエリアで条件に合うフリーレント物件を見つけることができ、旧居の最終月の家賃と、新居の最初の月の家賃が見事に相殺される形になりました。

旧居で交渉するだけでなく、新居の条件で調整するという視点の切り替えが成功に繋がったケースです。

【失敗事例】退去日と引っ越し日が違うことで家賃を大きく損してしまったケース

成功事例だけでなく、失敗から学ぶことも非常に重要です。多くの人が陥りがちな失敗を知ることで、あなたは同じ過ちを繰り返すことを避けられます。ここでは、家賃で損をしてしまった悲しいケースを見ていきましょう。

解約予告期間の確認を怠り丸々1ヶ月分の家賃を余分に支払う羽目になったDさん

Dさんは、気に入った新居が見つかったことに舞い上がり、すぐに契約してしまいました。

その後、現在の住まいの解約手続きをしようと管理会社に連絡したところ、「お客様の契約では、解約は2ヶ月前予告ですよ」と衝撃の事実を告げられました。Dさんは1ヶ月前だと思い込んでいたため、新居に引っ越した後も、誰も住んでいない旧居の家賃を丸々1ヶ月分、余分に支払うことになってしまいました。

契約書を最初に確認しなかったための、典型的な失敗例です。

退去日と引っ越し日を詰め込みすぎて掃除ができず高額な原状回復費用を請求されたEさん

Eさんは、家賃の二重払いを1日でも減らそうと、退去日と引っ越し日を同じ日に設定しました。

当日は朝から晩まで引っ越し作業に追われ、旧居の掃除をする時間が全くありませんでした。その結果、退去立ち会いの際にホコリや水回りの汚れ、細かな傷を多数指摘され、敷金がほとんど戻ってこないばかりか、高額な原状回復費用を追加で請求されてしまいました。

数日分の家賃をケチった結果、それ以上の大きな出費を生んでしまった悲しいケースです。

家賃の日割り交渉を最初から諦めてしまい大きな損をしたFさんの反省点

Fさんは、インターネットの情報を見て「どうせ日割り交渉なんて無理だろう」と最初から諦めていました。

退去の連絡をする際も、日割りの「ひ」の字も口にせず、言われるがままに1ヶ月分の家賃を支払いました。しかし後日、同じアパートの別の部屋に住んでいた友人が、同時期に退去した際にダメ元で交渉したら、あっさり日割りに応じてもらえたことを知りました。

言わなければ損をする、行動しなければ何も始まらない、という教訓を示す事例です。

退去日と引っ越し日が違う場合の家賃と日割りに関するよくある質問

ここまで様々な解説をしてきましたが、まだ細かい疑問が残っているかもしれません。最後に、多くの人が抱く家賃や日割りに関するよくある質問にお答えし、あなたの不安を完全に解消します。

退去の立ち会いは引っ越し日と最終的な退去日のどちらに合わせるべきか

退去の立ち会いは、部屋からすべての荷物がなくなり、掃除が完了した状態で行う必要があります。

そのため、実際の「引っ越し日」ではなく、賃貸契約の最終日である「退去日」に合わせて予約するのが一般的です。引っ越し日と退去日が違う場合は、荷物を運び出した後に旧居の掃除をする時間を確保し、最終日に管理会社や大家さんと一緒に部屋の状態を確認するという流れになります。

月の途中で退去する場合であっても家賃は月末まで支払う必要があるのか

これは、あなたの賃貸借契約書の内容次第です。契約書に「解約月の家賃は月割りとする」と記載されていれば、たとえ月の1日に退去したとしても、残念ながら月末までの家賃を支払う義務があります。

一方で、「日割り計算とする」という記載があれば、退去した日までの家賃で済みます。記載がない場合は交渉次第となりますが、まずは契約書を確認することが全ての基本です。

退去日と引っ越し日が違う場合に入居時に加入した火災保険料も日割りで返金されるか

火災保険は、通常1年や2年といった単位で契約し、保険料を前払いしています。

そのため、契約期間の途中で解約（退去）した場合は、残りの期間に応じた保険料が「解約返戻金」として戻ってくることがほとんどです。これは家賃の日割りとは別の話なので、退去が決まったら、加入している保険会社の代理店（多くは物件を仲介した不動産会社）に連絡し、解約手続きと返戻金について確認しましょう。

家賃の日割り交渉は担当者への電話と証拠が残るメールのどちらが効果的か

一概にどちらが良いとは言えませんが、両方を組み合わせるのが最も効果的です。

まずは電話で担当者と直接話し、丁寧にお願いして人間関係を築きます。その上で、「先ほどお電話でお話しさせていただきました件ですが、念のため書面でもお送りいたします」という形で、メールを送って記録を残しておくと、「言った・言わない」のトラブルを防ぐことができます。

熱意を伝える電話と、証拠を残すメール、両方の長所を活かすのが賢い方法です。

まとめ 退去日と引っ越し日が違う時の家賃は日割り交渉と計画性が重要

最後に、この記事で解説してきた重要なポイントを振り返りましょう。これを読めば、あなたが次に取るべき具体的な行動が明確になり、自信を持って引っ越し準備を進めることができるはずです。

退去日と引っ越し日が違う場合は家賃の二重払いを覚悟しつつ日割り交渉を試みよう

退去日と引っ越し日がずれる場合、ある程度の家賃の二重払いは避けられないものと覚悟しておくことが、精神的な余裕に繋がります。

その上で、この記事で解説した手順に沿って、旧居と新居の両方で家賃の日割りや発生日の交渉にチャレンジしてみましょう。行動しなければ、節約できる可能性はゼロのままです。ダメ元でも挑戦する価値は十分にあります。

賃貸借契約書の確認と管理会社への早めの相談が家賃の無駄をなくす最大の鍵となる

引っ越し準備の第一歩は、とにかく賃貸借契約書を読み返すことです。そこにあなたの権利と義務がすべて書かれています。

そして、退去の可能性があると分かった時点で、できるだけ早く管理会社や大家さんに相談すること。この「契約書の確認」と「早めの行動」という二つの鉄則を守ることが、家賃の無駄をなくし、スムーズな引っ越しを実現するための最大の鍵となります。

この記事で解説した具体的な手順を参考にしてあなただけの賢い引っ越し計画を立てよう

家賃の交渉、スケジュールの立て方、各種手続きの順番など、この記事では具体的な手順を数多く紹介しました。

あなたの状況に合わせてこれらの情報を取捨選択し、自分だけの最適な引っ越し計画を立ててみてください。計画的に準備を進めることで、不安は自信に変わり、金銭的な負担も精神的な負担も大きく軽減できるはずです。あなたの新しい生活が、素晴らしいものになることを心から応援しています。