引っ越し業者に依頼すると高額になりがちな冷蔵庫と洗濯機の運搬。
少しでも費用を抑えたいと考え、「自分で運ぶ方法はないだろうか」と検索されたのではないでしょうか。
結論から言うと、正しい手順と万全の準備さえすれば、冷蔵庫と洗濯機を自分で運ぶことは十分に可能です。
この記事では、引っ越しで大型家電を自分で運びたいと考えている初心者の方に向けて、専門用語も分かりやすく解説しながら、具体的な5つのステップでその方法を詳しく解説します。
安全を最優先しながら、引っ越し費用を賢く節約するためのコツや注意点も紹介しますので、ぜひ最後まで読んであなたの引っ越しを成功させてください。
結論として引っ越しで冷蔵庫と洗濯機を自分で運ぶ方法は5つの手順で完了します
まずは、これからおこなう作業の全体像を把握しましょう。
冷蔵庫や洗濯機を自分で運ぶ作業は、一見すると大変そうですが、実は大きく分けて5つのステップで構成されています。
この流れを頭に入れておけば、今どの段階の作業をしているのかが明確になり、焦らず落ち着いて行動できます。
自分で運ぶための5ステップ
- ステップ1:徹底した事前準備
運搬経路の採寸や道具の確保など、計画の土台を作ります。 - ステップ2:冷蔵庫の準備
電源OFF、水抜き、霜取りなど、故障を防ぐための下準備をします。 - ステップ3:洗濯機の準備
給排水ホースの取り外しと水抜き、ドラムの固定などを行います。 - ステップ4:搬出・運搬
家や家電を保護し、安全にトラックへ積み込み、運び出します。 - ステップ5:搬入・設置
新居で正しく設置し、家電が使える状態にします。
この手順通りに進めれば、安全かつ確実に運搬を終えることができます。
ステップ1は自分で運ぶための徹底した事前準備から始める方法です
最初のステップは、何よりも準備です。
この段階を丁寧におこなうことが、引っ越し当日のスムーズな作業と安全を確保する最大の鍵となります。
具体的には、まず運ぶ冷蔵庫と洗濯機の正確なサイズ(高さ、幅、奥行き)をメジャーで測り、スマートフォンなどで写真を撮っておくと便利です。
次に、玄関や廊下、階段、エレベーターなど、家の中からトラックまでの搬出経路の幅と高さをすべて測定し、問題なく通過できるかを確認します。この時、ドアノブの出っ張りや、曲がり角で家具を回転させるスペースがあるかなども考慮に入れるのが失敗しないための重要なポイントです。
そして、運搬に必要な台車や毛布、ロープ、養生テープなどの道具をリストアップし、購入またはレンタルで事前に揃えておきましょう。
ステップ2は引っ越し前日までに冷蔵庫の運搬準備を終わらせる方法です
冷蔵庫は、ただ運ぶだけではなく、内部の準備が非常に重要です。
引っ越しの24時間前、遅くとも前日の夜までには必ずコンセントを抜いて電源を切りましょう。これは、内部の冷却装置(コンプレッサー)を常温に近づけて安定させ、運搬中の振動による故障リスクを減らすために必要な時間です。
電源を切ったら、中にある食品をすべて取り出し、クーラーボックスなどに移して保管します。
その後、製氷機の中の氷や、霜取りで溶け出した水を受け止める「蒸発皿」の水を忘れずに捨ててください。この水抜き作業を怠ると、運搬中に水がこぼれて感電や他の荷物を濡らす最悪の事態につながる可能性があります。
ステップ3は洗濯機の水抜きと固定をおこなう準備方法です
洗濯機も冷蔵庫同様、内部の水を完全に取り除く作業が必要です。
まず、水道の蛇口を固く、確実に閉めます。これを忘れると水が噴き出し、床が水浸しになる大惨事につながります。
次に、給水ホースを蛇口から取り外した後、一度洗濯機の電源を入れ、「標準コース」や「洗いコース」を選択して1分ほど運転させます。こうすることで、給水ホースや本体内部に残っている水をポンプの力で排出できます。
運転が終わったら、本体下部にある排水ホースを排水口から抜き、ホースの先端をバケツなどに入れて本体を少し傾け、ホース内に残った水を完全に出し切ります。
ドラム式洗濯機の場合は、輸送中にドラムが揺れて故障しないよう、購入時に付属していた輸送用の固定ボルトでドラムを固定する作業も絶対に忘れないでください。
ステップ4は引っ越し当日に冷蔵庫と洗濯機を安全に運び出す方法です
いよいよ運搬当日です。
まず、搬出経路の壁や床、ドアノブなどに傷がつかないよう、養生テープや段ボール、毛布を使って徹底的に保護(養生)します。
次に、冷蔵庫や洗濯機本体を毛布やエアキャップ(プチプチ)で包み、運搬中にぶつけても傷がつかないように保護します。
準備ができたら、必ず2人以上で作業をおこないます。冷蔵庫は故障の原因になるため横にせず、縦向きのまま運ぶのが基本です。台車に乗せ、一人が押し、もう一人が前方で障害物がないか確認しながらゆっくりと移動させます。
特に危険な階段を運ぶ際は、下にいる人が主な重さを支えることになるため、力のある人が下を担当するのが安全の鉄則です。
ステップ5は新居で冷蔵庫と洗濯機を正しく設置する方法です
新居に到着したら、最後のステップである設置作業に移ります。
まず、あらかじめ決めておいた設置場所に冷蔵庫や洗濯機を置きます。この時、冷蔵庫は放熱のために壁から少し隙間(5~10cm程度)を空けて設置するのが重要です。
冷蔵庫は、運搬中の振動で内部の冷却液が不安定になっているため、設置後すぐに電源を入れるのは絶対に避けてください。故障を防ぐため、最低でも1時間、できれば数時間おいてからコンセントを差し込むのが理想的です。
洗濯機は、本体が傾かないように水平に設置し、給水ホースと排水ホースを正しく接続します。
最後に漏電による感電事故を防ぐため、アース線も忘れずに取り付けましょう。
引っ越しで自分で運ぶ前に必ず確認すべき冷蔵庫の準備手順
冷蔵庫は非常にデリケートな家電です。
間違った方法で準備を進めると、冷却機能が損なわれるなどの故障の原因となり、せっかく節約した費用以上の修理代がかかることもあります。
ここでは、冷蔵庫を安全に運ぶために、引っ越し前におこなうべき具体的な準備手順をさらに詳しく解説します。
- 冷蔵庫準備のチェックリスト
- □ 引っ越し24時間前までに電源を抜いたか?
- □ 庫内の中身をすべて空にしたか?
- □ 霜取りは完了したか?
- □ 蒸発皿の水は捨てたか?
- □ 取り外せる棚はすべて取り出したか?
- □ ドアや固定棚をテープで固定したか?
一つ一つのステップを確実に実行してください。
引っ越し前日には冷蔵庫の電源を抜き中身を空にする方法
冷蔵庫の運搬で最も重要なのが、電源を切るタイミングです。
引っ越しの24時間前にはコンセントを抜いて、冷却器を常温に戻す時間を作りましょう。これにより、運搬時の振動による心臓部「コンプレッサー」への負担を大幅に軽減できます。
電源を抜いたら、すぐに中身をすべて取り出します。
食品はクーラーボックスや発泡スチロールの箱に保冷剤と一緒に入れて保管しましょう。引っ越しの1週間ほど前から計画的に冷蔵庫の中身を消費していくと、当日の作業が格段に楽になります。
自分で運ぶ前に冷蔵庫の霜取りと水抜きを完全におこなう方法
電源を切ってから数時間経つと、冷凍庫内に付着していた霜が溶け始めます。
溶けた水は、タオルや雑巾を使って丁寧に拭き取ってください。
最近の冷蔵庫の多くには、背面のコンプレッサー上部などに「蒸発皿」と呼ばれる水の受け皿が設置されています。
この蒸発皿にも水が溜まっていることが多いので、必ず確認して溜まった水を捨てましょう。この水抜き作業を忘れると、運搬中に冷蔵庫を傾けた際に水がこぼれ、電子部品をショートさせてしまう恐れがあるので、絶対に忘れないでください。
冷蔵庫の棚や部品をテープで固定して運ぶ方法
冷蔵庫の内部には、ガラス製の棚やドアポケットなど、取り外し可能な部品が多くあります。
これらは運搬中の振動で外れて、冷蔵庫の内部を傷つけたり、部品自体が破損したりする原因になります。
そうした事態を防ぐため、取り外せる棚やケースはすべて取り出し、別途タオルなどで包んで運ぶのが最も安全です。もし取り外せない場合は、養生テープやマスキングテープなど、剥がしやすいテープでしっかりと固定しましょう。
ガムテープは粘着力が強すぎて、剥がす際に塗装が剥げたり跡が残ったりすることがあるため、使用は避けるのが賢明です。
引っ越しで自分で運ぶ前に知っておきたい洗濯機の準備手順
洗濯機は内部に水が残りやすく、適切な準備をしないと運搬中に水漏れを起こし、他の荷物や家財を濡らしてしまうトラブルを引き起こします。
また、ドラム式洗濯機には特有の注意点もあります。
ここでは、縦型とドラム式の両方に対応した、洗濯機を自分で運ぶための正しい準備方法を詳しく解説します。
- 洗濯機準備のチェックリスト
- □ 水道の蛇口を固く閉めたか?
- □ 給水ホースを取り外したか?
- □ 「1分間脱水」で本体の水抜きをしたか?
- □ 排水ホース内の水を完全に抜いたか?
- □ 【ドラム式のみ】輸送用ボルトでドラムを固定したか?
- □ ホースや付属品をなくさないようにまとめたか?
この手順を踏めば、安心して新居まで運ぶことができます。
自分で運ぶ前に洗濯機の蛇口を閉めて給水ホースを外す方法
まず最初におこなうのは、洗濯機につながっている水道の蛇口を固く閉めることです。
これを忘れてホースを外すと、水圧で水が噴き出して周囲が水浸しになる大惨事につながります。
蛇口を閉めたら、レンチなどの工具は使わず、手で給水ホースの接続部分を反時計回りに回して取り外します。
この時、ホース内に残っていた少量の水がこぼれることがあるので、あらかじめタオルを下に敷いておくと安心です。取り外した給水ホースは、洗濯槽の中に他の部品と一緒に入れておくと紛失を防げます。
洗濯機本体と排水ホースに残った水を完全に抜く方法
給水ホースを外した後、洗濯機本体と排水ホースに残っている水を完全に取り除く「水抜き」作業をおこないます。
電源を入れて「標準コース」で1分ほど脱水運転するのが最も簡単な方法です。これにより、内部に残った水が遠心力で排水ホースから排出されます。
その後、排水口から排水ホースを抜き、ホースの先端をバケツなどに入れ、洗濯機本体を少し手前に傾けてホース内に溜まった最後の水までしっかりと出し切ります。
この最後のひと手間が、運搬中の水漏れを完全に防ぐための重要なポイントです。
ドラム式洗濯機は輸送用ボルトでドラムを固定する方法を忘れずに
ドラム式洗濯機は、内部の洗濯槽(ドラム)が振動を吸収するためにサスペンションで吊られている、いわばブランコのような構造になっています。
そのため、輸送時に固定しないまま運ぶと、激しい揺れでドラムやサスペンションが破損し、数万円単位の高額な修理が必要になる重大な故障につながる可能性があります。
これを防ぐために、メーカーは購入時に「輸送用の固定ボルト」を付属させています。
洗濯機を運ぶ前には、必ずこのボルトを使ってドラムが動かないように固定してください。もし紛失してしまった場合は、メーカーの公式サイトや家電量販店で取り寄せることができるので、早めに手配しておきましょう。
引っ越しで冷蔵庫と洗濯機を自分で運ぶために必要な道具一覧
自力での運搬を成功させるには、適切な道具を揃えることが不可欠です。
力任せに運ぼうとすると、家電の破損や重大な怪我につながります。
ここでは、ホームセンターやオンラインストアで簡単に手に入る、冷蔵庫と洗濯機を安全かつ効率的に運ぶために必須の道具を紹介します。
- 必須の道具リスト
- 台車:重い荷物を楽に運ぶための最重要アイテム。
- 毛布やエアキャップ:家と家電を傷から守る緩衝材。
- ロープやラチェットベルト:運搬中の荷物のズレや転倒を防ぐ固定具。
- 養生テープ:壁や床を保護したり、仮止めしたりするのに使用。
- 滑り止め付き軍手:手の保護と滑り防止のため。
- 工具類:洗濯機のホース着脱に必要な場合がある。
事前にしっかりと準備しておきましょう。
冷蔵庫や洗濯機など重い荷物を楽に運ぶための台車
冷蔵庫や洗濯機のような数十キログラムもある重量物を人力だけで運ぶのは非常に危険です。
必ず荷物運搬用の「台車」を用意しましょう。特に、床を傷つけにくいゴム製の静音キャスターが付いているタイプがおすすめです。
購入をためらう場合は、ホームセンターコーナンやカインズなどのホームセンターでは、数百円で一日レンタルできるサービスもあるので、これを利用するのが賢い選択です。
台車があれば、平坦な場所の移動が劇的に楽になり、体力消耗を最小限に抑えられます。
家と家電を傷から守るための毛布やエアキャップ(プチプチ)
運搬中に壁の角にぶつけたり、トラックの荷台で揺れたりすることで、家や家電に傷がつくことは避けたいものです。
そのために、毛布やブランケット、エアキャップ(通称プチプチ)といった緩衝材が必須アイテムとなります。
家電全体をすっぽりと覆える大きさの毛布を数枚用意しましょう。
特に角の部分は傷つきやすいので、重点的に保護してください。これらの緩衝材で包んだ上から、荷造り用のラップフィルム(ストレッチフィルム)で全体を巻くと、毛布がずれるのを防ぎ、より確実に保護できます。
運搬中のズレを防ぐためのロープやラチェットベルト
台車やトラックの荷台に冷蔵庫や洗濯機を乗せた後、それらを固定するためにロープやベルトが必要になります。
単なる紐では強度が足りず、運搬中に切れてしまう危険があります。
トラック輸送でプロも使用する「ラチェット式ベルト」を用意するのが最も安全で確実です。これは、少ない力で荷物をがっちりと固定できる便利な道具で、ホームセンターやAmazonなどの通販サイトで2本セット数千円程度で購入できます。
これを使えば、トラックの運転中に荷物が倒れたりずれたりする心配がほとんどなくなります。
冷蔵庫と洗濯機を自分で運ぶための車の選び方と積み方のコツ
家電の準備ができたら、次はそれらを運ぶための車の手配です。
残念ながら、普通の乗用車ではまず積むことができないため、適切なサイズのトラックをレンタルする必要があります。
ここでは、車の選び方から、安全に荷物を積み込むための具体的な方法までを解説します。
- 積み方のコツ
- 重いもの(冷蔵庫・洗濯機)は荷台の前方(運転席側)に置く。
- 冷蔵庫は必ず立てて、進行方向と平行に積む。
- 荷物同士の隙間は布団や段ボールで埋める。
- ラチェットベルトで荷台にしっかり固定する。
正しい積み方を実践することが、事故防止につながります。
軽トラックやパワーゲート付きトラックをレンタルする方法
冷蔵庫と洗濯機を同時に運ぶ場合、最低でも軽トラックが必要です。
トヨタレンタカーやニッポンレンタカーといった一般的なレンタカー会社で手軽に借りることができます。
さらにおすすめなのが、荷台の後部がエレベーターのように昇降する「パワーゲート」付きのトラックです。
これがあれば、重い冷蔵庫や洗濯機を一切持ち上げることなく、台車に乗せたままでスムーズに荷台へ積み込めます。パワーゲート付きの車両は、専門のレンタル業者や、カインズなどのレンタルサービスで探すことができます。
冷蔵庫は必ず立てた状態で運ぶのが基本の方法
冷蔵庫を運ぶ際の絶対的なルールは、「必ず立てた状態で運ぶ」ことです。
冷蔵庫を横に倒して運ぶと、内部にあるコンプレッサーのオイルが冷却回路に流れ込んでしまい、故障の直接的な原因となります。
トラックの荷台に積む際も、必ず進行方向に対して平行になるように、立てた状態で配置してください。
そして、荷台の壁にぴったりと寄せ、前述のラチェットベルトなどで車体にしっかりと固定し、走行中の振動で倒れないように万全の対策を施しましょう。
洗濯機と他の荷物を隙間なく積んで安定させる方法
洗濯機も冷蔵庫と同様に立てた状態で運びます。
トラックの荷台に積む際は、重いものである冷蔵庫や洗濯機を荷台の前方(運転席側)に配置するのが基本です。こうすることで、ブレーキ時や加速時の安定性が増します。
荷物を積んだら、段ボール箱や布団など、他の荷物を使って隙間を埋めていきましょう。
荷物同士が密着することで、互いに支え合い、走行中の揺れによるズレや転倒を効果的に防ぐことができます。全ての荷物を積み終えたら、最後に荷台全体を大きなシートで覆い、雨や汚れから守ると完璧です。
引っ越し先での冷蔵庫と洗濯機の正しい設置方法と注意点
無事に新居へ運び終えても、まだ作業は終わりではありません。
最後の設置作業を正しくおこなうことで、初めて引っ越しは完了します。
特に冷蔵庫は、電源を入れるタイミングに注意が必要です。
冷蔵庫は設置後すぐに電源を入れず数時間待つ方法が鉄則
新居の所定の場所に冷蔵庫を設置したら、すぐにコンセントを差し込みたい気持ちをぐっとこらえましょう。
運搬中の振動で不安定になった内部の冷却液やオイルを、重力によって正常な位置に落ち着かせる時間が必要です。
最低でも1時間、可能であれば3時間から半日ほど時間をおいてから電源を入れるのが故障を防ぐための絶対的な鉄則です。
設置場所は、壁から5センチから10センチ程度離し、放熱スペースを確保することも忘れないでください。これにより冷却効率が上がり、電気代の節約にもつながります。
洗濯機は水平に設置し給排水ホースとアース線を接続する方法
洗濯機は、脱水時に高速で回転するため、本体が水平に設置されていないと、異常な振動や騒音、故障の原因となります。
設置場所に置いたら、本体の上や側面にスマートフォンの水準器アプリなどを置いて、四隅の足の高さを調整し、完全に水平になるように設定してください。
その後、給水ホースを蛇口に、排水ホースを排水口にしっかりと接続します。
接続が甘いと水漏れの原因になるため、確実に取り付けましょう。最後に、感電防止のためのアース線をコンセントのアース端子に必ず接続してください。
全ての設置完了後に試運転で動作確認をおこなう方法
冷蔵庫の電源を入れ、洗濯機の接続がすべて完了したら、最後に必ず試運転をおこないましょう。
冷蔵庫は、電源を入れてから数時間後に庫内が冷え始めているかを確認します。
洗濯機は、少量の水とタオルなどを入れて「洗い→すすぎ→脱水」の一連のコースを運転させてみてください。
この時に、給排水の接続部から水漏れがないか、脱水時に異常な音や振動がないかを注意深くチェックします。ここで問題がなければ、すべての作業は無事に完了です。
自分で運ぶのは危険?冷蔵庫と洗濯機の運搬で注意すべきこと
自分で運ぶ方法は費用を節約できる大きなメリットがありますが、同時にリスクも伴います。
家電の破損だけでなく、自分や手伝ってくれる友人が怪我をしては元も子もありません。
ここでは、安全を最優先するために、運搬作業中に特に注意すべき重要なポイントをまとめました。
- 安全のための注意点
- □ 必ず2人以上で作業する(1人では絶対に運ばない)
- □ 少しでも危ないと感じたら、無理せず中断する
- □ マンション等の共用部分は必ず養生する
- □ 滑り止め付き軍手とスニーカーを着用する
必ず友人など2人以上で作業し無理な運搬はしない方法
冷蔵庫や洗濯機は、小型のものでも30キログラム以上、大型になると100キログラムを超えることもあります。
これを一人で運ぶのは絶対に不可能であり、非常に危険です。
必ず、体力に自信のある友人や家族に手伝いを依頼し、最低でも2人以上で作業をおこなってください。
特に階段の上り下りは非常に危険が伴います。
少しでも「無理だ」「危ない」と感じたら、決して力任せに続けず、一度作業を中断して別の方法を考える勇気が必要です。安全が何よりも優先です。
マンションやアパートの共用部分を傷つけないための養生
運搬中にうっかり壁や床、エレベーター内を傷つけてしまうと、管理会社から高額な修繕費用を請求される可能性があります。
そうした事態を避けるため、搬出入の経路となる共用部分は、事前に養生しておくのがマナーであり、自己防衛策にもなります。
エレベーターの壁には養生シートや段ボールを貼り、床にはシートを敷くなど、管理会社に確認の上で許可される範囲で保護措置をとりましょう。
軍手や滑りにくい靴を着用し怪我を防止する方法
運搬作業中の怪我を防ぐため、適切な服装と装備を心がけましょう。
まず、手の滑りを防ぎ、万が一の際に手を保護してくれる「滑り止め付きの軍手」は必須です。素手での作業は非常に危険なので絶対に避けてください。
また、足元はサンダルなどではなく、足を保護でき、滑りにくい靴底のスニーカーなどを履きましょう。重いものを運ぶ際は、足の上に落としてしまうリスクもゼロではありません。
安全な服装で作業に臨むことが、自分自身の身を守ることに直結します。
自分で運ぶのがベスト?メリットとデメリットを比較する方法
ここまで自分で運ぶ方法を解説してきましたが、本当にそれがあなたにとって最善の選択肢なのでしょうか。
メリットだけに目を向けるのではなく、デメリットもしっかりと理解した上で最終的な判断をすることが大切です。
最大のメリットは引っ越し業者に頼むより費用を大幅に節約できる点
自分で運ぶ最大のメリットは、言うまでもなく費用の節約です。
引っ越し業者に冷蔵庫と洗濯機の運搬だけを依頼した場合でも、移動距離や建物の状況によっては2万円から4万円程度の費用がかかるのが一般的です。
一方、自分で運ぶ場合は、トラックのレンタル代(5千円~1万円程度)と、台車などの道具代(数千円)で済みます。
友人に手伝ってもらったお礼をしたとしても、総額を1万円から2万円程度に抑えることが可能で、業者に依頼するのに比べて大幅なコストダウンが期待できます。
デメリットは時間と労力がかかり家電の破損や怪我のリスクがある点
費用面のメリットが大きい一方で、デメリットも存在します。
まず、準備から設置まで、すべて自分たちでおこなうため、丸一日がかりの作業になるなど、多くの時間と労力がかかります。
また、プロではないため、作業に慣れておらず、運搬中に壁にぶつけて家を傷つけたり、最悪の場合は家電を落として故障させてしまったりするリスクがあります。
さらに、重い荷物を運ぶことによるぎっくり腰などの怪我のリスクも伴います。これらのリスクを許容できるかどうかを慎重に考える必要があります。
時間や安全を重視するならプロに任せる方法も検討する
もし、準備にかけられる時間がない、手伝ってくれる人が見つからない、体力に自信がない、あるいは高価な家電を絶対に壊したくないといった場合は、無理をせずにプロの引っ越し業者に依頼する方が賢明です。
数万円の費用はかかりますが、その分、安全と安心、そして時間を買うことができます。
業者であれば、万が一の破損時にも補償が適用されるため、精神的な負担も軽くなります。自分の状況に合わせて、最適な方法を選択しましょう。
どうしても自分で運ぶのが無理な場合の賢い代替方法
自分で運ぶ準備を進めてみたものの、「やっぱり自分たちだけでは無理そうだ」と感じることもあるでしょう。
しかし、引っ越し業者にすべてを依頼する以外にも、費用を抑える方法は存在します。
冷蔵庫と洗濯機だけを運んでもらう部分的な依頼方法
引っ越し業者の中には、荷物の一部だけを運んでくれるサービスを提供しているところがあります。
例えば、くらしのマーケットのようなプラットフォームサイトでは、個人の運送業者や便利屋さんが多数登録しており、「冷蔵庫1点だけの運搬」といった依頼を格安でおこなうことができます。
段ボールなどの小さな荷物は自分で運び、重量物である冷蔵庫と洗濯機だけをプロに任せるというこの方法は、費用と労力のバランスが取れた非常に賢い選択肢と言えるでしょう。
赤帽などの軽貨物運送業者に依頼する方法
「赤帽」に代表されるような軽貨物運送業者は、比較的近距離の引っ越しや少量の荷物運搬を得意としています。
運転手兼作業員が1名で来てくれることが多く、依頼者も一緒に作業を手伝うことが前提となっている場合が多いため、大手引っ越し業者よりも料金が安く設定されています。
自分で運ぶのは難しいけれど、作業を手伝うことはできる、という場合に最適なサービスです。
古い家電は処分し新居で新しいものを購入する方法
もし使っている冷蔵庫や洗濯機がかなり古いモデル(製造から7年以上経過しているなど)であれば、この引っ越しを機に買い替えてしまうのも一つの有効な方法です。
古い家電を運ぶ手間と費用、そしてリスクを考えれば、いっそ処分してしまった方が合理的かもしれません。リサイクルショップに売却したり、フリマアプリのメルカリや地域の掲示板ジモティーなどで譲ったりすれば、多少の収入になる可能性もあります。
そして、新居では新しい省エネ性能の高い家電を購入します。
家電量販店の多くは、新品購入時に古い家電の引き取りや無料配送・設置サービスをおこなっているので、結果的に運搬の手間が一切かからなくなります。
まとめ
この記事では、引っ越しで冷蔵庫と洗濯機を自分で運ぶための具体的な方法を、5つのステップに分けて詳しく解説してきました。
最後に、安全に作業を終えるために最も重要なポイントを再確認し、あなたの引っ越しが成功裏に終わるよう、要点をまとめてお伝えします。
冷蔵庫と洗濯機を自分で運ぶ方法は正しい手順と準備がすべて
冷蔵庫と洗濯機を自分で運ぶことは、この記事で紹介した5つのステップ、すなわち「事前準備」「冷蔵庫の準備」「洗濯機の準備」「搬出と輸送」「搬入と設置」を丁寧におこなえば十分に可能です。
特に、運搬前の水抜き作業や、運搬中の安全対策(養生や固定)、そして新居での正しい設置方法は、家電を故障から守るために不可欠です。
これらの手順を一つ一つ確実に実行することが、成功への唯一の道です。
費用節約のメリットと破損や怪我のリスクを天秤にかける方法
自分で運ぶことで得られる費用節約というメリットは非常に魅力的です。
しかし、その裏には家電の破損や家屋の損傷、そして何よりも自分自身や手伝ってくれる友人の怪我といったリスクが存在することを決して忘れてはいけません。
自分の体力や時間、手伝ってくれる人の有無などを総合的に判断し、少しでも不安がある場合は、無理をせずプロに頼るという選択肢も視野に入れましょう。
最も大切なのは安全第一で無理のない引っ越し計画を立てる方法
新生活を最高の形でスタートするために
引っ越しは、新生活のスタートを切るための大切なイベントです。
その始まりで、家電を壊してしまったり、怪我をしてしまったりしては、素晴らしいスタートが台無しになってしまいます。
この記事を参考に、万全の準備を整え、決して無理のない計画を立ててください。
安全を最優先に考え、慎重に作業を進めることで、費用を抑えつつ、満足のいく引っ越しを実現できるはずです。あなたの新しい生活が、最高の形でスタートできることを心から願っています。
コメント