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転入届は引っ越し前に手続きしたらバレる?実はできない理由と、正しい手続きをステップで解説

引っ越しを控えているあなたは、住民票の移動など様々な手続きに追われていることでしょう。

特に「転入届」について、できれば引っ越し前に済ませておきたいけれど、それって可能なのだろうか、もしやったらバレるのだろうかと疑問や不安を感じていませんか。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決します。

結論から言うと、転入届は引っ越し前に手続きすることはできません。

この記事を読めば、なぜ手続きできないのかという明確な理由から、バレるリスク、そして引っ越し前後で行うべき正しい手続きの具体的な手順まですべて理解できます。

この記事を参考にして、スムーズで安心な引っ越し手続きを進めていきましょう。

目次

結論として転入届は引っ越し前に手続きできないその明確な理由

まず最初に最も重要な結論からお伝えします。

転入届を引っ越しの日より前に新しい住所の市区町村役場で手続きすることは、法律で認められていません。

なぜなら、住民票は「実際に住んでいる場所」を公に証明するための、非常に重要な書類だからです。

この章では、その法律上の根拠と具体的な理由について詳しく解説していきます。

住民基本台帳法で定められた引っ越し後の手続きというルール

転入届の手続きは、住民基本台帳法という法律によってルールが厳密に定められています。

この法律は、日本に住むすべての人の「どこに住んでいるか」を正確に記録し、行政サービスを公平に提供するための国の基本的なルールです。

この法律の第22条には、「転入をした者は、転入をした日から14日以内に、新しい住所の市区町村長に届け出なければならない」と明記されています。

ここでの「転入をした日」とは、実際に新しい住所に住み始めた日を指します。

したがって、まだ住み始めていない、つまり引っ越しが完了していない段階で転入届を提出することは、この法律のルールに反する行為となるのです。

転入届の手続きには前に住んでいた役所の転出証明書が必須

転入届の手続きを行う際には、必ず「転出証明書」という書類が必要になります。

これは、以前住んでいた市区町村の役所で「転出届」を提出することで発行される、いわば「前の住所から正式に引っ越しました」というお墨付きの書類です。

転出届は、これから引っ越しますという意思を伝える手続きであり、通常は引っ越しの14日前から手続きが可能です。

この転出証明書があって初めて、新しい住所の役所で転入届が受理されます。

つまり、①引っ越し前に転出届を出す → ②引っ越す → ③引っ越し後に転入届を出す、という一連の流れが法律で決まっているのです。

この仕組み自体が、引っ越し前に転入届を出せない大きな理由の一つとなっています。

実際に住んでいないと正しい行政サービスが提供できないため

住民票は、私たちの生活に欠かせない様々な行政サービスの基礎となる、非常に重要な情報です。

もし、まだ住んでいない住所で転入届が受理されてしまうと、これらのサービスが正しく提供されなくなってしまいます。

  • 選挙:選挙の投票所入場券が正しい住所に届かない。
  • 税金:住民税の課税が正しく行われない。
  • 保険・年金:国民健康保険や国民年金の手続きに支障が出る。
  • 各種手当:児童手当や医療費助成などが受けられなくなる可能性がある。
  • その他:運転免許証の更新案内が届かない、図書館などの公共施設が利用できない、ゴミ出しのルールが分からないなど、生活の様々な場面で不便が生じます。

行政が住民の状況を正確に把握し、公平で適切なサービスを提供するためにも、実際に住み始めてから転入届を提出するというルールは絶対に守らなければならないのです。

なぜ引っ越し前に転入届の手続きをするとバレるのかその仕組みを解説

法律で禁止されているとわかっていても、「少し早めに手続きするくらい、バレないのでは?」と考えてしまうかもしれません。

しかし、虚偽の申請は非常に高い確率でバレてしまいます。

役所の窓口担当者は、日々多くの手続きを扱っているプロフェッショナルです。

この章では、なぜ引っ越し前の不正な手続きがバレてしまうのか、その具体的な仕組みについて解説します。

窓口での口頭確認や書類から引っ越し前の申請がバレるケース

市区町村役場の窓口では、転入届を提出する際に担当者からいくつか質問をされます。

例えば、「今日からお住まいですか?」「荷物の搬入はもうお済みですか?」といった、居住実態を確認するための質問が含まれています。

ここで正直に「まだです」と答えれば当然手続きはできませんし、もし嘘をついても、その後の会話の矛盾や不自然な態度から虚偽であることを見抜かれる可能性があります。

また、提出する転出証明書には「転出予定日」が記載されています。

その予定日と、転入届を提出する日に大きなズレがあれば、担当者に「なぜこんなに早く手続きに来たのですか?」と疑問を持たれる原因となります。

他の手続きとの矛盾から引っ越し前の手続きがバレる可能性

転入届を提出すると、それに伴って様々な情報が更新されます。

しかし、生活に関わる他の情報とズレが生じると、そこから虚偽の申請が発覚することがあります。

例えば、会社に提出する通勤手当の申請書に記載された「居住開始日」や、電力会社やガス会社との契約書に記載された「利用開始日」、インターネット回線の「工事日」などが、転入届で届け出た日付と異なると矛盾が生じます。

このように、生活に関わる様々な情報が相互に関連しているため、一つの嘘を隠し通すことは非常に困難なのです。

近隣住民からの通報や調査によって不正な手続きがバレることも

万が一、窓口で虚偽の申請が通ってしまったとしても、安心はできません。

市区町村は、住民票の情報が正確であるかを確認するために、実態調査を行うことがあります。

例えば、職員が届け出があった住所を訪問し、表札の有無、郵便受けの状態、電気やガスのメーターが動いているかなどを確認します。

その際に人が住んでいる形跡が全くないと、虚偽の申請であるとバレてしまいます。

また、アパートやマンションの管理人、あるいは近隣の住民から「届け出があったはずの部屋に誰も住んでいる気配がない」といった情報が役所に寄せられ、そこから調査が始まってバレるというケースも考えられます。

もし引っ越し前の虚偽申請がバレるとどうなるか具体的な罰則やリスク

軽い気持ちで事実と異なる日にちで転入届を提出してしまい、それがもしバレた場合、一体どのようなことになるのでしょうか。

単に手続きをやり直すだけでは済まない、厳しい罰則が科せられる可能性があります。

この章では、虚偽の申請が発覚した際に直面する具体的な罰則や、社会生活上のリスクについて詳しく説明します。

住民基本台帳法違反による最大五万円の過料という罰則

事実と異なる内容で住民票の届出を行うことは、住民基本台帳法違反です。

同法の第52条第2項では、正当な理由がなく届出をしない者や、虚偽の届出をした者に対して、5万円以下の過料に処すると定められています。

「過料(かりょう)」とは、刑事罰である「罰金」とは違い前科はつきませんが、行政上のルール違反に対して科される金銭的なペナルティです。

安易な気持ちで行った虚偽の申請が、思わぬ出費につながる可能性があることを理解しておく必要があります。

刑法の公正証書原本不実記載罪に問われる可能性も

さらに悪質なケース、例えば詐欺や不正な利益を得る目的で意図的に虚偽の届出を行ったと判断された場合には、刑法の「公正証書原本不実記載等罪」に問われる可能性があります。

住民票は公的な文書の元となる重要な記録(公正証書原本)とみなされており、ここに嘘の情報を記録させることは犯罪行為にあたります。

この罪が適用されると、5年以下の懲役または50万円以下の罰金という、非常に重い刑罰が科されることがあります。

たった一度の虚偽申請が、前科につながる重大なリスクをはらんでいるのです。

社会的な信用の失墜や行政サービスの停止といったリスク

法律的な罰則だけでなく、社会的な信用を失うという大きなリスクも伴います。

虚偽の申請が発覚すれば、その情報は役所の記録に残り、「要注意人物」として、今後の行政手続きにおいて厳しいチェックを受けることになるかもしれません。

また、不正に受けようとしていた行政サービス、例えば特定の地域限定の給付金や手当などがあれば、その資格を剥奪されたり、すでに受け取っていた場合は全額返還を求められたりすることもあります。

目先の利益や手間を惜しんだ結果、より大きな不利益を被ることになりかねません。

引っ越し前にできる手続きはこれ転出届の正しい手順を詳しく解説

転入届は引っ越し後に行う手続きですが、逆に引っ越し前に必ず済ませておかなければならない重要な手続きがあります。

それが「転出届」です。

この手続きを忘れると、新しい場所での転入手続きができず、すべての手続きが滞ってしまいます。

この章では、引っ越し前にやるべき転出届の具体的な手続き方法について、ステップバイステップで分かりやすく解説します。

引っ越しの14日前から当日までに前の住所の役所で手続きする

転出届は、現在住んでいる市区町村の役所、つまり引っ越し前の住所を管轄する役所の窓口で手続きを行います。

手続きができる期間は、一般的に引っ越し予定日の14日前から、引っ越し当日までとされています。

仕事の都合などで平日に役所へ行けない場合は、代理人に手続きを依頼することも可能です。

その場合は本人が作成した「委任状」が必要になるので、事前に役所のウェブサイトなどで書式を確認し、準備しておきましょう。

転出届の手続きに必要な本人確認書類や印鑑などの持ち物

転出届の手続きに行く際には、いくつか必要な持ち物があります。

事前にリストアップして、忘れ物がないようにしましょう。

必ず必要なもの
  • 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど顔写真付きのもの1点。または健康保険証、年金手帳など顔写真なしのもの2点。
  • 印鑑(認印):自治体によっては不要な場合もありますが、持参すると安心です。
該当する方のみ必要なもの
  • 国民健康保険被保険者証:加入している場合、返却が必要です。
  • 印鑑登録証(カード):登録している場合、返却が必要です。
  • 委任状:代理人が手続きする場合に必要です。

これらの持ち物を事前に準備しておくと、窓口で慌てることがありません。

転出届を提出すると発行される転出証明書の重要性

役所の窓口で転出届の書類を記入し、本人確認などを済ませると、「転出証明書」というA5サイズほどの非常に大切な書類が発行されます。

この書類は、あなたがこの市区町村から転出することを公的に証明するものです。

そして、この転出証明書がなければ、引っ越し先の新しい市区町村で転入届の手続きをすることができません。

非常に重要な書類ですので、引っ越し作業の混乱の中で紛失しないよう、専用のクリアファイルに入れるなどして大切に保管してください。

もし失くしてしまうと、再度、元の役所で再発行手続きが必要になり、大きな手間と時間がかかってしまいます。

引っ越し前に転出届の手続きをオンラインで済ませるマイナポータルの活用法

「平日に役所へ行く時間がない」「遠方に引っ越すため元の役所に行くのが大変だ」という方もいるでしょう。

そんな場合に非常に便利なのが、マイナンバーカードを使ったオンラインでの手続きです。

政府が運営するオンラインサービスマイナポータルを利用すれば、自宅にいながら転出届を提出できます。

この章では、その具体的な利用方法とメリットについて解説します。

マイナンバーカードと対応スマートフォンがあれば来庁不要で手続きできる

マイナポータルを通じてオンラインで転出届を提出するためには、いくつかの条件があります。

まず、署名用電子証明書が有効なマイナンバーカードを持っていることが大前提です。

次に、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマートフォン、またはパソコンとICカードリーダーライタが必要です。

これらの環境が整っていれば、マイナポータルのウェブサイトや専用アプリから、24時間365日いつでも好きな時に転出届の手続きを進めることができます。

役所の開庁時間を気にする必要がなく、交通費や移動時間もかからないため、非常に効率的です。

マイナポータルを利用したオンライン転出手続きの具体的な流れ

具体的な手続きの流れはとてもシンプルです。

初めての方でも画面の案内に従えば簡単にできます。

  1. スマートフォンやパソコンでマイナポータルにログインします。
  2. メニューの中から「引越しの手続き」を選択します。
  3. 画面の案内に従って、現在の住所、新しい住所、引っ越し予定日、そして手続きをする人の情報などを入力していきます。
  4. すべての入力が終わったら、最後にマイナンバーカードを読み取らせ、設定した暗証番号(6~16桁の英数字)を入力して電子署名を行えば申請は完了です。

手続きが完了すると、後日、引っ越し先の役所で転入届を行う際に、紙の転出証明書の提出が原則不要になります。

オンライン手続きの注意点と引っ越し先での手続きについて

マイナポータルでのオンライン手続きは非常に便利ですが、いくつか注意点もあります。

まず、申請内容に不備があると役所から電話などで連絡が来ることがありますので、入力する情報は正確に確認しましょう。

また、オンラインで手続きできるのはあくまで転出届のみであり、転入届は必ず引っ越し後に新しい住所の役所窓口へ行って手続きをする必要があります。

その際、マイナンバーカードを必ず持参してください。

マイナンバーカードを持参することで、転出情報が役所のシステム間で連携され、転出証明書がなくてもスムーズに手続きが進められます。

転入届の手続きができるのはいつから引っ越し後の正しいタイミング

無事に引っ越しが完了したら、次はいよいよ転入届の手続きです。

この手続きにも、法律で定められた期限があります。

うっかり忘れているとペナルティの対象になる可能性もあるため、正しいタイミングを把握しておくことが重要です。

この章では、転入届をいつからいつまでに手続きすればよいのか、その期間について詳しく解説します。

新しい住所に住み始めた日から14日以内に手続きを行うのが原則

転入届の手続き期間は、法律で明確に定められています。

住民基本台帳法により、「新しい住所に住み始めた日から14日以内」に、新しい住所の市区町村役場へ届け出ることが義務付けられています。

この「住み始めた日」が起算日となる点に注意が必要です。

例えば、4月1日に引っ越して住み始めた場合、その日から14日後の4月15日が届出の期限となります。

この期間を過ぎてしまうと、正当な理由がない限り、法律違反とみなされる可能性があります。

14日を過ぎてしまった場合の罰則と手続きへの影響

もし、仕事が忙しいなどの理由で、正当な理由なく14日間の届出期間を過ぎてしまった場合、最大で5万円の過料が科される可能性があります。

実際にすぐに過料が科されるケースは稀ですが、法律上のリスクがあることは覚えておくべきです。

また、転入届が遅れると、以下のような生活上の様々な場面で不利益が生じる可能性があります。

  • 国民健康保険証の発行が遅れ、その間に病院にかかると医療費が一時的に全額自己負担になる。
  • 選挙人名簿への登録が間に合わず、大切な選挙で投票できなくなる。
  • 児童手当などの各種行政サービスの開始が遅れる。

正当な理由があれば14日を過ぎても手続きできるケースとは

届出期間である14日を過ぎてしまった場合でも、ペナルティが科されない「正当な理由」が存在します。

例えば、本人や家族が重い病気で入院していた、海外から帰国してすぐで隔離期間中だった、大規模な自然災害に見舞われた、といったやむを得ない事情がある場合です。

ただし、単に「仕事が忙しかった」「うっかり忘れていた」といった理由は、一般的に正当な理由とは認められません。

もし、やむを得ない事情で期限を過ぎてしまった場合は、その事実を証明できる書類(診断書など)を持参の上、速やかに役所の窓口で相談することが重要です。

完全ガイド引っ越し後に転入届の手続きをスムーズに行うためのステップ

実際に役所へ行って転入届の手続きをする際、どのような流れで進むのかを事前に知っておくと、当日慌てることなくスムーズに完了できます。

特に初めて手続きをする方は不安に感じるかもしれません。

この章では、役所に到着してから手続きを終えるまでの具体的な流れを、誰にでも分かるようにステップ形式で詳しく解説します。

ステップ1 役所に到着したら住民課や市民課の窓口へ向かう

引っ越し先の市区町村役場に到着したら、まずは総合案内所や庁舎内の案内板で、住民票の異動手続きを担当している課を探しましょう。

多くの場合、「住民課」「市民課」「戸籍住民課」といった名称の部署が担当しています。

もし分からなければ、遠慮なく総合案内の職員に「引っ越してきたので転入届の手続きをしたいのですが」と尋ねれば、親切に案内してくれます。

目的の窓口に着いたら、受付番号札を発券機で取るのが一般的です。

ステップ2 転入届の用紙を受け取り必要事項を正確に記入する

自分の番号が呼ばれるのを待つ間に、窓口の近くに備え付けてある「住民異動届」などの書類を入手し、記入を始めましょう。

記入台には見本が置かれていることが多いので、それを参考にしながら氏名、新しい住所、古い住所、引っ越してきた日、世帯主の情報などを正確に記入していきます。

特に「異動日(実際に引っ越してきた日付)」は、正確に記載する必要があります。

分からない項目があれば、空欄にしておき、窓口で担当者に質問しながら記入することも可能です。

ステップ3 番号が呼ばれたら必要書類を提出し本人確認を行う

自分の受付番号が呼ばれたら、指定された窓口へ向かいます。

そこで、記入した「住民異動届」、引っ越し前の役所で受け取った「転出証明書」、そして「本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)」をまとめて提出します。

マイナポータルでオンライン転出手続きを済ませた場合は、転出証明書は不要ですが、代わりにマイナンバーカードを必ず提示してください。

担当者が書類の内容を確認し、本人確認を行います。

ステップ4 手続き完了後に新しい住民票の写しを取得しておく

担当者による書類の確認とシステムへの入力作業が完了すれば、転入届の手続きは終了です。

手続きが完了した証として、マイナンバーカードの裏面に新しい住所を記載してもらうなどの処理が行われます。

この後、運転免許証の住所変更や銀行口座の住所変更など、様々な手続きで新しい住所が記載された住民票の写しが必要になります。

二度手間を防ぐためにも、転入届の手続きが完了したその場で、手数料を支払って住民票の写しを3~4部取得しておくことを強くお勧めします。

転入届の手続きで必要な持ち物リストこれを忘れると二度手間に

役所での手続きで最も避けたいのが、持ち物を忘れてしまい、再度役所へ行かなければならなくなる「二度手間」です。

特に引っ越し直後の忙しい時期には、時間も労力も無駄にしたくありません。

この章では、転入届の手続き当日に絶対に忘れてはならない持ち物をリストアップし、それぞれなぜ必要なのかを詳しく解説します。

全員必須
  • 転出証明書(前の役所で発行されたもの。マイナポータル利用者は不要)
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • マイナンバーカードまたは通知カード(世帯全員分)
  • 印鑑(認印でOK。シャチハタ不可)
該当者のみ
  • 委任状(代理人が手続きする場合)
  • 在留カードまたは特別永住者証明書(外国籍の方)
  • 国民年金手帳(国民年金第1号被保険者の方)

必須の持ち物である転出証明書と本人確認書類の重要性

絶対に忘れてはならない持ち物の筆頭は、引っ越し前の役所で発行された「転出証明書」です。

これがなければ、原則として転入届は受理されません。

次に重要なのが、窓口に来た人が本人であることを証明するための「本人確認書類」です。

運転免許証やマイナンバーカードのような顔写真付きの公的な身分証明書なら1点、健康保険証や年金手帳などの顔写真がないものなら2点以上の提示を求められます。

マイナンバーカードまたは住民基本台帳カードは家族全員分を持参する

世帯全員で引っ越してきた場合は、手続きを円滑に進めるために、家族全員分の「マイナンバーカード」または「住民基本台帳カード」を持参しましょう。

カードの券面情報を更新し、新しい住所を記載してもらう必要があります。

手続きに来ていない家族の分も、同じ世帯であれば委任状なしで住所の追記ができる場合が多いです。

これらのカードは、今後の様々な行政手続きで本人確認書類として利用できるため、必ず最新の状態にしておくことが重要です。

手続きをスムーズに進めるためにあると便利な印鑑

転入届の書類自体には、署名があれば印鑑は不要な自治体が増えています。

しかし、念のため「印鑑(認印で可)」を持参することをお勧めします。

なぜなら、転入届と同時に行う他の手続き、例えば国民健康保険の加入手続きなどで、印鑑の押印を求められる可能性があるからです。

インク浸透印(シャチハタなど)は、ゴム製で印影が変形しやすいため公的な書類には使えません。

朱肉を使って押すタイプの印鑑を用意しておきましょう。

該当者のみ必要となる委任状や在留カードなどの書類

本人や同じ世帯の家族以外の人、つまり友人や知人などが代理で手続きを行う場合は、本人からの「委任状」が必須です。

委任状は、市区町村のウェブサイトからダウンロードできる場合が多いので、事前に準備しておきましょう。

また、外国籍の方は「在留カード」または「特別永住者証明書」を、引っ越してきた家族全員分、必ず持参する必要があります。

これらの書類がないと手続きができませんので、絶対に忘れないようにしてください。

転入届と同時にできる手続き一覧市役所に行くのは一度で済ませよう

引っ越し後は、転入届以外にもやらなければならない手続きがたくさんあります。

せっかく平日に時間を作って役所へ行くのですから、一度の訪問でできることはまとめて済ませてしまいたいものです。

この章では、転入届の手続きをする際に、同じ役所の窓口や他の課で同時に行える手続きを一覧でご紹介します。

これを知っておけば、あなたの時間と労力を大幅に節約できます。

役所に行ったら済ませたい手続きリスト

  • 国民健康保険の加入手続き
  • 国民年金の住所変更
  • 印鑑登録
  • 児童手当・子ども医療費助成の申請
  • 原付バイク(125cc以下)の登録変更
  • 犬の登録事項変更届

国民健康保険の加入手続きと国民年金の住所変更手続き

会社の社会保険に加入している方以外、自営業者やフリーランス、学生、退職された方などは、市区町村が運営する「国民健康保険」に加入する必要があります。

転入届を提出した後、「保険年金課」などの担当窓口へ行き、加入手続きを行いましょう。

また、国民年金に加入している方(第1号被保険者)も、同様に住所変更の手続きが必要です。

これらの手続きを忘れると、保険証が手に入らなかったり、年金の重要なお知らせが届かなくなったりするので、必ず同日中に済ませてください。

印鑑登録の手続きと児童手当や医療費助成の申請

不動産の契約や自動車の購入など、重要な契約で必要となる「実印」を登録する「印鑑登録」の手続きも、転入届と同時に行うことができます。

前の市区町村での印鑑登録は転出届を出すと自動的に失効するため、必要であれば新しい住所で再度登録し直す必要があります。

また、中学生以下の子どもがいる家庭は「児童手当」の、特定の条件を満たす方は「子ども医療費助成」や「ひとり親家庭等医療費助成」などの申請を「子育て支援課」などで忘れずに行いましょう。

これらの手当や助成は、申請しないと受給できない「申請主義」のため非常に重要です。

原付バイクの登録変更や犬の登録事項変更届

125cc以下の原動機付自転車(原付バイク)を所有している場合、そのナンバープレートは市区町村が管轄しています。

そのため、転入届と同時に、「税務課」などで原付バイクの登録住所の変更手続きも行う必要があります。

廃車証明書や標識交付証明書などが必要になるため、事前に役所のウェブサイトで確認しておきましょう。

また、ペットとして犬を飼っている方は、「犬の登録事項変更届」を提出する義務があります。

これは「保健所」や「環境衛生課」などが窓口になることが多いので、鑑札を持参して手続きを済ませましょう。

まとめ

ここまで、転入届は引っ越し前に手続きできるのか、バレるのか、そして正しい手続きの流れについて詳しく解説してきました。

多くの情報がありましたが、最後に重要なポイントを整理して、あなたの引っ越し手続きが完璧に完了するようにおさらいしましょう。

転入届は引っ越し前に手続きできず虚偽申請はバレるので絶対にしないこと

この記事で最もお伝えしたかった結論は、転入届は新しい住所に住み始めてから14日以内に手続きするものであり、引っ越し前に手続きすることはできない、ということです。

安易な気持ちで虚偽の申請をしても、役所のチェックや他の情報との矛盾からバレる可能性が非常に高く、バレた場合には過料などの罰則を受けるリスクがあります。

ルールを守り、正しい手順で手続きを行うことが、結果的に最もスムーズで安心な方法です。

引っ越し前の転出届と引っ越し後の転入届という正しい順番を理解しよう

引っ越しの手続きには正しい順番があります。

まず、【事前】に「転出届」を前の住所の役所に提出し、「転出証明書」を受け取ります。

そして、引っ越しが完了し、【事後】に新しい住所の役所で「転入届」を提出します。

この「転出が先、転入が後」という流れをしっかりと覚えておきましょう。

マイナンバーカードがあれば、マイナポータルを利用してオンラインで転出届を済ませることも可能で、非常に便利です。

事前の準備と計画で引っ越し手続きはスムーズに進められる

引っ越しは、単に荷物を運ぶだけでなく、多くの行政手続きが伴う一大イベントです。

しかし、事前に何が必要で、どのような手順で進めるべきかを正しく理解し、計画を立てておけば、決して難しいものではありません。

この記事で紹介した持ち物リストや、同時にできる手続きの一覧を活用し、効率的に手続きを進めてください。

あなたの新しい生活が、スムーズな手続きと共に、素晴らしいスタートを切れることを心から願っています。

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