引っ越しは何かと費用がかさむため、「少しでも節約したい」と考える方は多いでしょう。
中でも、洗濯機のような大きな家電を自分で運べたら、業者に依頼する費用を大きく削減できます。
しかし、洗濯機は重くて精密な機械のため、正しい手順と注意点を理解せずに運ぶと、故障や水漏れ、さらには大怪我の原因にもなりかねません。
この記事では、引っ越しで洗濯機を自分で安全に運ぶための具体的な準備から、運び出し、新居での設置、そして試運転までの全ステップを、専門用語もわかりやすく解説しながら、詳しくご紹介します。
この記事を最後まで読めば、初心者の方でも安心して洗濯機の引っ越しに挑戦できるようになります。
引っ越しで洗濯機を自分で運ぶための結論と全体の流れを最初に解説
洗濯機の引っ越しを自分で行うには、何から手をつければ良いのか不安に感じるかもしれません。
まずは結論として、成功のために何が最も重要なのか、そしてどのような流れで作業を進めるのか、全体像を把握することから始めましょう。
この章では、自分で洗濯機を運ぶ上での心構えと、作業の全体像を明確にします。
結論として洗濯機を自分で運ぶには正しい手順と準備が何よりも重要です
自分で運ぶための成功の鍵
洗濯機の自力運搬は可能ですが、成功の鍵は「正しい手順の理解」と「事前の万全な準備」の2つに尽きます。
特に運搬前の「水抜き」を徹底することが、トラブルを防ぐ最も重要なポイントです。
引っ越しで洗濯機を自分で運ぶことは、結論から言うと十分に可能です。
しかし、そのためには「正しい手順の理解」と「事前の万全な準備」が絶対に欠かせません。
ただ力任せに運ぼうとすると、洗濯機内部の精密な部品が破損したり、壁や床を傷つけたり、最悪の場合は腰を痛めるなど大怪我につながる可能性があります。
特に、運ぶ前の「水抜き」作業を怠ると、運搬中に水が漏れ出して他の荷物や新居の床を濡らしたり、電子部品がショートして感電や故障の原因になったりすることもあります。
したがって、この記事で紹介するステップごとの注意点を一つひとつ確実に実行することが、安全に洗濯機を自分で運ぶための最も重要な鍵となります。
引っ越しで洗濯機を自分で運ぶための大まかなステップの確認
洗濯機を自分で運ぶ作業は、大きく分けていくつかのステップに分かれています。
まずは、全体の流れを把握して、当日の作業をイメージできるようにしておきましょう。
- 引っ越し前日まで:水抜きと付属品の取り外し
- 引っ越し当日(旧居):本体の梱包、家からの運び出し、車への積み込み
- 輸送:安全運転で新居へ移動
- 引っ越し当日(新居):家への搬入、設置場所への移動、各ホースとアース線の接続
- 作業完了後:試運転で最終確認
この一連の流れを事前に頭に入れておくことで、当日の作業をスムーズに進めることができます。
また、どの段階でどんな注意点があるのかを意識しながら取り組むことで、見落としやミスを防ぐことにも繋がります。
自分で洗濯機を運ぶメリットとデメリットを理解しておくことの重要性
自分で洗濯機を運ぶ最大のメリットは、やはり引っ越し業者に依頼する費用を節約できる点です。
通常、洗濯機の運搬・設置を業者に頼むと数千円から一万円以上の費用がかかりますが、これを自分でやることでその分を浮かせることができます。
しかし、デメリットも存在します。
それは、時間と手間がかかること、そして故障や破損、怪我のリスクをすべて自分で負わなければならないという点です。
特にドラム式洗濯機は非常に重く、成人男性でも一人で運ぶのは不可能です。
これらのメリットとデメリットを天秤にかけ、自分の状況や体力、手伝ってくれる人の有無などを考慮した上で、本当に自分で運ぶべきか判断することが大切です。
引っ越し前に必ず確認したい洗濯機を自分で運ぶための必須準備リスト
洗濯機を安全かつスムーズに運ぶためには、事前の準備が成功の9割を占めると言っても過言ではありません。
いきなり作業を始めるのではなく、必要な道具を揃えたり、運ぶ経路を確認したりといった地道な準備が、当日のトラブルを防ぎます。
この章では、引っ越し前に絶対に揃えておきたい道具や確認事項を具体的に解説します。
洗濯機を運ぶために事前に用意すべき道具を具体的に紹介します
洗濯機を自分で運ぶ際には、いくつかの道具が必要になります。
ホームセンターなどで手軽に揃えられるものが多いので、事前にリストアップして準備しておきましょう。
- 台車:洗濯機を乗せて楽に移動させるための必須アイテム。ホームセンターで数百円からレンタルも可能です。
- 毛布やバスタオル:本体を傷から守る緩衝材として使います。
- 養生テープやラップフィルム:緩衝材の固定やフタの固定に使います。粘着跡が残りにくい養生テープがおすすめです。
- ドライバー:給水ホースのニップルを取り外す際に必要です。
- 雑巾とバケツ:水抜き作業で床が濡れるのを防ぎます。
- 軍手:滑り止め付きのものを用意すると、安全性が格段に上がります。
これらの道具を事前にすべて揃えておくことで、作業が中断することなく、効率的に進めることができます。
特に台車は腰への負担を大幅に軽減してくれるので、必ず用意しましょう。
引っ越し先の搬入経路や設置場所のサイズを事前に測っておく注意点
意外と見落としがちなのが、新居の搬入経路の確認です。
メジャーを持参し、玄関のドア、廊下、階段の幅や高さを正確に測り、洗濯機が問題なく通れるかを確認しておく必要があります。
特に、らせん階段や狭い曲がり角は要注意ポイントです。
また、新しい洗濯機の設置場所の寸法も測っておきましょう。
防水パンのサイズに洗濯機の脚が収まるか、蛇口の高さや位置、コンセントやアース端子、排水口の位置などを事前にスマホで撮影しておくと、後からでも確認できて便利です。
もし寸法的に厳しい場合は、引っ越し当日までに別の搬入経路を考えるか、残念ながら自分で運ぶことを諦めて業者に相談する必要があるかもしれません。
友人や家族など洗濯機を一緒に運ぶ手伝いを確保しておくことの重要性
縦型洗濯機でも一人で運ぶのは非常に危険であり、重量が80kgを超えることもあるドラム式洗濯機に至っては絶対に不可能です。
必ず、友人や家族など、力仕事を手伝ってくれる人を最低でも一人、できれば二人以上確保してください。
事前に連絡を取り、引っ越しの日時を伝えて協力を依頼しておきましょう。
その際、ただ手伝ってもらうだけでなく、この記事で解説する運び方の手順や注意点を事前に共有しておくことが大切です。
全員が同じ認識を持つことで、息を合わせた安全な作業が可能になり、事故のリスクを大幅に減らすことができます。
引っ越し前日までに済ませたい洗濯機の水抜きという最も重要な作業の注意点
洗濯機を運ぶ上で、最も重要かつ丁寧に行うべき作業が「水抜き」です。
この作業を怠ったり、不完全に終えたりすると、運搬中に水が漏れ出して新居の床や他の家財を濡らす大惨事につながる可能性があります。
ここでは、洗濯機の水抜きの正しい手順と、見落としがちな注意点を詳しく解説します。
洗濯機を運ぶ前の給水ホースの水抜き作業の具体的な手順を解説
まず、洗濯機につながっている水道の蛇口を固く閉めます。
これを忘れると、ホースを外した瞬間に水が噴き出す大惨事になるので、最初に必ず確認してください。
次に、洗濯機の電源を入れ、標準コースや洗いコースを選んで1分ほど運転させます。
こうすることで、給水ホース内部に残っている圧力が抜け、水が洗濯槽の中に流れ込みます。
その後、洗濯機の電源を切り、安全のためにコンセントを抜きます。
蛇口側と洗濯機側の両方の接続部分をゆっくりと緩めて、給水ホースを取り外しましょう。
ホース内にまだ水が残っている場合があるので、バケツや雑巾を準備してこぼさないように注意してください。
洗濯機本体と排水ホースに残った水を完全に取り除くための注意点
給水ホースの次は、洗濯機本体と排水ホースに残った水を取り除きます。
再度電源を入れて、今度は「脱水」コースを最短時間で運転させます。
これにより、洗濯槽の底や内部の管に残っている水が、遠心力で排水ホースから排出されます。
脱水が終わったら、洗濯機本体を少し手前に傾けてみましょう。
すると、排水ホースから残っていた水がさらに出てくることがあります。
この作業を数回繰り返し、水が完全に出なくなるまで行うのが完璧な水抜きのコツです。
水が出なくなったら、排水口から排水ホースを抜き取ります。
この時もホースの口を上に向けながら、バケツで水を受け止めるようにして作業するのが、床を濡らさないための注意点です。
ドラム式洗濯機を運ぶ際に必要な輸送用固定ボルトの取り付け方
ドラム式洗濯機は、内部の洗濯槽(ドラム)が揺れを吸収するために特殊なサスペンションで吊り下げられています。
この状態で運搬すると、激しい揺れでドラムが故障する原因になります。
そのため、ドラム式洗濯機には、運搬中にドラムを固定するための「輸送用固定ボルト」または「輸送用ピン」が付属しています。
これは購入時に付いてきたもので、紛失してしまった場合はメーカーの公式サイトや家電量販店で取り寄せることが可能です。
洗濯機の背面や上部にある指定の穴に、このボルトを差し込んでしっかりと固定してください。
この作業を忘れると、修理に数万円かかる重大な故障のリスクが格段に高まるため、ドラム式洗濯機を自分で運ぶ際は絶対に忘れてはならない注意点です。
洗濯機本体と付属品の梱包方法と安全に運ぶための注意点
水抜きが終われば、次はいよいよ梱包作業です。
洗濯機本体はもちろん、取り外したホースやコード類も適切に処理しないと、運搬中のトラブルの原因になります。
ここでは、洗濯機と付属品を安全に運ぶための梱包のコツと注意点を解説します。
洗濯機の電源コードやアース線のまとめ方と固定する際の注意点
洗濯機の電源コードやアース線は、だらんと垂れ下がったままだと運搬中に踏んでしまったり、引っかかったりして非常に危険です。
また、コードの断線の原因にもなります。
これらのコード類は、きれいに束ねてから、ビニールテープや粘着力の弱い養生テープを使って洗濯機の側面に貼り付けて固定しましょう。
ガムテープのような粘着力が強いテープを使うと、剥がす時に跡が残ったり塗装が剥げたりする可能性があるため避けるのが賢明です。
テープで固定する場所は、運搬時に手が触れにくい側面や背面を選ぶと良いでしょう。
取り外した給水ホースや排水ホースなどの付属品をなくさないための工夫
取り外した給水ホース、排水ホース、そして給水ホースと蛇口をつなぐ「ニップル」と呼ばれる小さな部品は、引っ越しの混乱の中で紛失しやすいアイテムの代表格です。
これらの付属品をなくしてしまうと、新居で洗濯機が使えなくなってしまいます。
そうした事態を防ぐため、取り外したホース類や小さな部品は、まとめてビニール袋に入れましょう。
そして、その袋を養生テープで洗濯槽の中に貼り付けておくのが最も確実で簡単な方法です。
こうすれば、洗濯機本体と付属品がバラバラになることがなく、紛失のリスクを大幅に減らすことができます。
洗濯機本体を毛布や緩衝材で保護して安全に運ぶための梱包術
洗濯機本体は、むき出しのまま運ぶと壁やドアにぶつけて傷をつけたり、本体が凹んだりする可能性があります。
これを防ぐために、必ず毛布や使わなくなった掛け布団、あるいはホームセンターで手に入るエアキャップ(プチプチ)などの緩衝材で全体を包み込みましょう。
特に、衝撃を受けやすい角の部分は、タオルを重ねるなどして重点的に保護してください。
全体を包んだら、養生テープや荷造り用のラップフィルムをぐるぐる巻きにして、緩衝材がずれないようにしっかりと固定します。
最後に、洗濯機のフタが開かないように、フタの部分もテープで固定しておくとさらに安全です。
いよいよ引っ越し当日!洗濯機を家から運び出す際の具体的な注意点
梱包まで完了したら、いよいよ家の中から洗濯機を運び出します。
この工程は、引っ越し作業の中で最も力が必要で、かつ怪我をしやすい場面です。
安全を最優先に、慎重に作業を進めるための具体的な注意点を解説します。
洗濯機を安全に運ぶための基本姿勢と二人以上で作業する重要性
洗濯機を運ぶ際は、必ず二人以上で作業してください。
一人が前、もう一人が後ろを持ち、息を合わせて運びます。
持つ場所は、洗濯機の下部にあるくぼみや頑丈なフレーム部分を選びましょう。
持ち上げる際は、膝をしっかりと曲げて腰を落とし、背筋を伸ばした状態から脚の力を使って立ち上がるのが基本姿勢です。
腕の力だけで持ち上げようとしたり、腰を曲げたまま持ち上げたりすると、ぎっくり腰などの大怪我につながるため絶対にやめてください。
「せーの」で同時に持ち上げるなど、声を掛け合いながら運ぶことが安全作業の基本です。
狭い通路や階段を使って洗濯機を運ぶ際に特に注意すべきポイント
運び出しのルートに狭い通路や階段がある場合は、特に慎重な作業が求められます。
通路を通る際は、洗濯機の角を壁にぶつけないように、ゆっくりと進みましょう。
一人が前で誘導し、もう一人が後ろから押すようにするとスムーズです。
階段を運ぶ場合は、下側を持つ人にかかる負担が非常に大きくなります。
そのため、体力のある人が下側を担当し、上側の人は洗濯機が傾きすぎないように支えることに集中してください。
一段ずつ、足元を確認しながらゆっくりと降りることが何よりも重要です。
滑りやすい靴下での作業は厳禁で、必ず滑り止めのついた靴や軍手を着用してください。
洗濯機を台車に乗せて運ぶ場合の固定方法と安全な移動のコツ
洗濯機を玄関先まで運び出したら、台車に乗せて車まで移動させます。
洗濯機を台車の中央に安定させて乗せ、可能であれば荷締めベルト(ラッシングベルト)などで台車と洗濯機を固定すると、移動中の落下を防ぐことができます。
台車を動かす際は、急発進や急停止を避け、ゆっくりと押して進みましょう。
特に、小さな段差や地面の凹凸がある場所では、洗濯機が大きく揺れてバランスを崩しやすいため、細心の注意が必要です。
一人が台車を押し、もう一人が洗濯機本体を支えながら移動すると、より安全に運ぶことができます。
洗濯機を車に積んで運ぶ方法と移動中の揺れに対する注意点
無事に洗濯機を車まで運んだら、次は積み込みと輸送です。
車での運搬中も、揺れによって洗濯機がダメージを受ける可能性があります。
ここでは、洗濯機を正しく車に積み込み、安全に新居まで運ぶための注意点を説明します。
洗濯機を運ぶのに適した車種の選び方と積載スペースの確認
洗濯機を自分で運ぶ場合、十分な積載スペースがある車が必要です。
軽トラックやハイエースのようなバンが最も適していますが、ミニバンや大きめのステーションワゴンでも、後部座席を倒せば積むことが可能です。
セダンやコンパクトカーでは、高さや幅が足りず積むことができない場合がほとんどです。
車がない場合は、ニコニコレンタカーやタイムズカーなどのサービスで軽トラックを数時間だけ借りるのも一つの賢い手です。
事前に洗濯機のサイズ(高さ・幅・奥行き)を測っておき、利用する車の荷室の寸法と照らし合わせて、確実に積めるかを確認しておくことが重要です。
洗濯機を立てた状態で車に積むのが基本である理由とその注意点
洗濯機を車に積む際は、必ず「立てた状態」で積んでください。
横向きに寝かせて運ぶと、内部の洗濯槽を支えているサスペンションやモーターに無理な力がかかり、故障の直接的な原因となります。
また、完全に水抜きができていなかった場合、内部に残った水が電子部品にかかってしまい、深刻な故障を引き起こす可能性もあります。
やむを得ず少し斜めにする場合は、できるだけ垂直に近い角度を保つようにしてください。
特にドラム式洗濯機は精密な構造をしているため、立てて運ぶことが絶対条件です。
ロープやベルトを使って洗濯機を車にがっちり固定する方法
洗濯機を車に乗せたら、運搬中に動かないように確実に固定する必要があります。
軽トラックの荷台には、ロープを引っ掛けるためのフックが付いています。
このフックを利用して、荷締め用のロープやラチェット式のベルト(通称ガッチャ)を使い、洗濯機を前後左右からがっちりと固定しましょう。
ロープをかける際は、洗濯機本体に直接かけるのではなく、毛布などで保護した上からかけるようにすると、本体に傷がつくのを防げます。
運転中は急ブレーキや急カーブを避け、振動を与えないように丁寧な運転を心がけることも、洗濯機を安全に運ぶための重要な注意点です。
引っ越し先で洗濯機を搬入する際に確認すべき注意点とポイント
新居に到着したら、最後の難関である搬入作業が待っています。
運び出しと同様に、家の中を傷つけないよう、また安全に設置場所まで運ぶための注意点を確認していきましょう。
新居の床や壁を傷つけないように養生を徹底する重要性
新しい家をいきなり傷つけてしまっては、せっかくの引っ越しが台無しです。
洗濯機を搬入する前に、玄関から設置場所までの床や、狭い通路の壁の角などを、段ボールや養生シート、毛布などで保護(養生)しておきましょう。
特に、フローリングの床は洗濯機の重みで凹んだり傷ついたりしやすいため、厚手のシートを敷くなどの対策が有効です。
この一手間を惜しまないことが、新居をきれいに保つための重要なポイントです。
玄関や廊下など洗濯機の搬入経路で障害になるものがないか最終確認
事前に寸法を測っていても、引っ越しの荷物などで搬入経路が狭くなっていることがあります。
洗濯機を運び込む直前に、再度、玄関から設置場所までのルートを確認し、荷物やドアストッパーなど、障害になるものがないかを見て回りましょう。
もし障害物があれば、事前に片付けておくことで、スムーズかつ安全に搬入作業を進めることができます。
動線を確保しておくことは、作業効率を上げるだけでなく、つまづきや転倒といった事故を防ぐ上でも非常に重要です。
洗濯機を設置場所までスムーズに運ぶための動線の確保
洗濯機を設置する防水パンの周りには、十分な作業スペースを確保しておきましょう。
重い洗濯機を持ち上げたまま、狭いスペースで方向転換をしたり、体の向きを変えたりするのは非常に困難で危険です。
先に他の荷物を置いてしまうのではなく、まず洗濯機のような大きなものから設置するのが引っ越しのセオリーです。
周囲に何もない状態で作業できれば、ホースの接続なども楽に行えます。
新居での洗濯機設置作業を自分で行うためのステップと注意点
洗濯機を設置場所まで運んだら、いよいよ接続作業です。
水漏れや感電、動作不良などを防ぐため、一つひとつの接続を確実に行う必要があります。
ここでは、洗濯機を正しく設置するための手順と注意点を解説します。
洗濯機を水平に設置するための防水パンと脚の高さ調整の注意点
洗濯機は、水平な場所に設置しないと、脱水時に大きな騒音や振動が発生し、故障の原因になります。
多くの洗濯機には、本体が水平かどうかを確認するための水準器が内蔵されています。
これを見ながら、洗濯機の四隅にある脚の高さを調整し、気泡が水準器の中央に来るようにしましょう。
脚は手で回せるようになっているものがほとんどです。
防水パンの四隅にしっかりと脚が乗っているかを確認しながら、ガタつきがなくなるまで微調整を繰り返すことが、静かで安定した運転のための重要な注意点です。
給水ホースと蛇口を正しく接続して水漏れを防ぐためのポイント
まず、蛇口の先端に「ニップル」という接続部品を、ネジをしっかりと締めて取り付けます。
次に、給水ホースの接続口をニップルの上から「カチッ」と音がするまで確実に差し込みます。
接続が甘いと、水圧でホースが外れて床が水浸しになる大惨事につながるため、接続後にホースを軽く引っ張ってみて、抜けないかを確認することが重要です。
すべての接続が終わったら、蛇口をゆっくりと開け、接続部分から水が漏れていないかを必ず確認してください。
排水ホースを排水口に確実に差し込み固定する作業の注意点
排水ホースは、排水口にただ差し込むだけでは不十分です。
運転中の振動でホースが抜けたり、嫌な臭いが上がってきたりするのを防ぐために、排水口に付属している「エルボ」というL字型の部品を使って接続し、ホースバンドでしっかりと固定する必要があります。
ホースが長すぎる場合は、途中でたるんだり折れ曲がったりしないように、適切な長さにカットするか、たるみがないように取り回しを工夫してください。
ホースの途中で水が溜まると排水不良の原因になるため、ホースの先端が水に浸からないように、また、ホースの高さが洗濯機の排水口より高くならないように注意しましょう。
アース線を確実に取り付けて感電や漏電のリスクを防ぐ方法
アース線は、万が一、洗濯機が漏電した際に電気を地面に逃がし、感電を防ぐための非常に重要な安全装置です。
コンセントの近くにあるアース端子のカバーを開け、中のネジをドライバーで緩め、アース線の先端を差し込んでから、再度ネジを締めて固定します。
もしアース端子がない場合は、自己判断で接続せず、必ず電気工事店に相談して設置を依頼する必要があります。
延長コードなどを使わず、必ず壁の端子に直接接続してください。
この作業を怠ると重大な事故につながる可能性があるため、絶対に忘れないようにしましょう。
洗濯機の設置完了後に必ず行うべき試運転と最終確認の注意点
すべての設置作業が完了しても、まだ終わりではありません。
最後に試運転を行い、すべてが正常に機能するかを確認する作業が残っています。
この最終チェックを怠ると、後で「洗濯しようと思ったら動かない!」といったトラブルに見舞われる可能性があります。
洗濯機の電源を入れて試運転を行い正常に動作するか確認する手順
すべての接続が完了したら、洗濯機の電源プラグをコンセントに差し込みます。
そして、実際に洗濯物を入れずに、「洗い」から「すすぎ」「脱水」までの一連の動作を含む「槽洗浄コース」や「標準コース」などで試運転を開始します。
電源が問題なく入り、給水、洗い、排水、脱水といった各工程がスムーズに進むかを一通り確認しましょう。
この試運転で問題がなければ、設置は無事に完了したと言えます。
試運転中に給水ホースや排水ホースから水漏れがないかチェックする注意点
試運転中は、ただ洗濯機が動いているのを見ているだけではいけません。
給水が始まったら、蛇口と給水ホースの接続部分、そして洗濯機本体との接続部分から水がにじんだり漏れたりしていないかを、目で見て、乾いた布やティッシュで触って確認してください。
同様に、排水が始まったら、排水ホースと排水口の接続部分から水が漏れていないか、ホースの途中から水が漏れていないかを注意深くチェックします。
少しでも濡れている箇所があれば、すぐに運転を停止し、蛇口を閉めてから接続をやり直す必要があります。
洗濯機の運転中に異常な音や振動がないかを確認する最後のステップ
試運転の最終チェックポイントは、異音と異常な振動です。
特に、高速で回転する脱水工程では、設置が不安定だと「ガタガタ」「ゴトゴト」といった大きな音や、本体が歩くように動いてしまうほどの激しい振動が発生します。
もし異常な音や振動を感じた場合は、水平設置がうまくいっていない可能性が高いです。
運転を停止し、再度、水準器を確認しながら脚の高さ調整をやり直してください。
この最後の確認作業を丁寧に行うことで、今後の洗濯を安心して行うことができます。
まとめ|洗濯機の引っ越しを自分で安全に運ぶための注意点を再確認
ここまで、洗濯機を自分で運ぶための全手順と注意点を詳しく解説してきました。
最後に、今回の内容を振り返り、安全な引っ越しを成功させるための最も重要なポイントを再確認しましょう。
自分で洗濯機を運ぶ際は事前の準備と手順の確認が成功の鍵です
洗濯機の引っ越しを自分で行う上で最も大切なのは、勢いで作業を始めないことです。
必要な道具を揃え、水抜きの手順を理解し、運搬経路を確認するといった「事前の準備」こそが、当日の作業をスムーズにし、トラブルを防ぐ最大の要因です。
また、運び方から設置までの「正しい手順」を一つひとつ確実に実行することが、洗濯機の故障や怪我を防ぎます。
この記事で紹介した注意点をもう一度読み返し、完璧な計画を立ててから臨むようにしてください。
無理は禁物!少しでも不安があればプロの引っ越し業者に依頼する選択肢も
自分で運ぶことには費用の節約という大きなメリットがありますが、決して無理はしないでください。
ドラム式洗濯機のように非常に重いものや、階段を通るなど搬出入が困難な場合、手伝ってくれる人が見つからない場合など、少しでも作業に不安を感じるのであれば、迷わずプロの引っ越し業者に依頼することをおすすめします。
数千円から一万円程度の費用で、安全と安心、そして時間を買うことができます。
怪我をしてしまったり、洗濯機を壊してしまったりしては、節約した意味がなくなってしまいます。
この記事で解説した注意点を守って安全な洗濯機の引っ越しを実現しましょう
洗濯機の引っ越しを自分で運ぶのは、決して簡単な作業ではありません。
しかし、この記事で解説してきたような、水抜きの方法、梱包のコツ、安全な運び方、そして確実な設置といった一連の注意点をしっかりと守れば、初心者の方でも無事にやり遂げることが可能です。
あなたの新しい生活のスタートが、洗濯機のトラブルで台無しになることのないよう、ぜひこのガイドを参考にして、安全で確実な引っ越しを成功させてください。
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