親しい友人や家族、お世話になっている方の新しい門出である「引っ越し」は、心から盛大にお祝いしたいものですよね。そんな時、お祝いの気持ちを形にする「ご祝儀」ですが、「のし袋の書き方がいまいち分からない…」「名前や水引のマナーで失敗して、恥をかきたくない」と、ペンを持つ手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ご祝儀袋の準備が初めての方でも一切迷うことがないよう、引っ越し祝いの「のし袋」の完璧な準備方法を徹底解説します。書き方の基本ステップから、相手の状況に合わせた表書きの選び方、水引のマナー、そして意外と知らない連名での名前の書き方まで、具体的な見本や手順を追いながら詳しくご紹介します。この記事を最後まで読めば、マナーに対する不安は消え、自信をもってお祝いを渡せるようになります。
まずは結論から!引っ越し祝いのし袋の書き方の基本4ステップを解説します
細かいルールがたくさんあるように感じる、のし袋の書き方。しかし、実は基本となるポイントはたったの4つだけです。最初にこの全体の流れを把握してしまえば、各部分の具体的な書き方もスムーズに理解できます。ここさえ押さえておけば大きな失敗をすることはありませんので、まずはこちらの基本ステップをしっかりと頭に入れましょう。
引っ越し祝いのし袋作成 4つの基本ステップ
- 【表書き】のし袋の上段に「御新築御祝」などのお祝いの言葉を書く
- 【名前】のし袋の下段に贈り主のフルネームを書く
- 【中袋の表】中袋の表面に包んだ金額を「金壱萬圓」のように大字で書く
- 【中袋の裏】中袋の裏面に贈り主の住所・氏名を書く
ステップ1はのし袋の上段中央に表書きを書くことから始めます
まず最初に行うのは、のし袋の表面、中央にある飾り紐(水引)の上側スペースに「表書き」を記入することです。
表書きとは、「何のためのお祝いなのか」を伝えるための、いわばご祝儀のタイトルです。「御新築御祝」や「御引越御祝」といった言葉を、贈る相手の状況に合わせて正しく選ぶことが大切です。
文字は、お祝いの気持ちがしっかりと伝わるように、丁寧にはっきりと、少し大きめに書くことを心がけましょう。
ステップ2は水引の下側中央に贈り主の名前をフルネームで書きます
次に、水引を挟んで下側の中央部分に、贈り主であるあなたの名前を記入します。この時、上段の表書きの文字よりも少しだけ小さめに書くと、全体のバランスが美しく見えます。
名字だけでなく、必ずフルネームで書くのが正式なマナーです。夫婦や友人同士など、複数人の名前を連名で書く際には特別なルールがありますので、後の章で詳しく解説します。
この名前の部分は、誰からのお祝いかを相手に伝えるための最も重要な部分です。心を込めて丁寧に書きましょう。
ステップ3は中袋の表面に包んだ金額を大字で記入します
ご祝儀袋の中に入っている、お金を入れるための白い封筒「中袋(なかぶくろ)」または「中包み(なかづつみ)」にも記入が必要です。
中袋の表面、中央には、包んだ金額を「金壱萬円」「金参萬圓」のように、旧字体の漢数字である「大字(だいじ)」で書くのが最も丁寧な書き方です。
大字を使うのは、後から金額を「一」に線を足して「二」や「三」に改ざんされるのを防ぐという意味合いがあります。
ステップ4は中袋の裏面にあなたの住所と氏名を記入します
最後に、中袋の裏面の左下に、あなたの住所と氏名を記入します。これは、お祝いを受け取った相手が、「誰から、いくら頂いたのか」を整理し、後日お返し(内祝い)を準備する際に必要となる、非常に大切な情報です。
郵便番号から省略せずに都道府県名から書くと、より丁寧な印象を与えられます。
名前ももちろんフルネームでしっかりと書きましょう。この記載がないと相手を困らせてしまうことになるので、絶対に忘れないようにしてください。
引っ越し祝いの表書きの書き方|相手の状況に合わせた言葉の選び方
のし袋の顔ともいえる「表書き」は、お祝いを贈る相手の状況によって使うべき言葉が変わってきます。新築なのか、中古物件への引っ越しなのか、あるいは賃貸への転居なのか。それぞれのシチュエーションに最適な言葉を選ぶことで、より繊細で心のこもったお祝いになります。ここでは具体的な文例を挙げながら、正しい表書きの選び方と書き方を説明します。
相手が新築一戸建てや新築マンションを購入した場合の表書きの書き方
相手の方が家を新しく建てたり、新築のマンションを購入したりした場合は、その輝かしい門出を祝う、最もおめでたい言葉を選びます。
一般的には「御新築御祝(ごしんちくおんいわい)」または「祝御新築(しゅくごしんちく)」と書きます。
新しい城を築いたことへのお祝いの気持ちをストレートに表現できる言葉です。お祝い事では「死」を連想させる四文字の言葉は縁起が悪いとされることがありますが、「御新築御祝」はお祝いの表書きとして広く一般的に使われているため、全く問題ありません。
中古の一戸建てやマンションを購入して引っ越した場合の表書きの書き方
新築ではなく、中古の物件を購入して引っ越された場合には、「新築」という言葉は使いません。
この場合は、「御引越御祝(おひっこしおんいわい)」や、シンプルに「御祝」と書くのが適切です。
また、相手の新しい生活のスタートを応援する気持ちを込めて「御新居御祝(ごしんきょおんいわい)」とすることもできます。相手の状況を正しく把握し、適切な言葉を選ぶ配慮が大切です。
賃貸住宅への引っ越しや転勤に伴う栄転の場合の表書きの書き方
賃貸マンションやアパートへの引っ越し、あるいは昇進などを伴う栄転の場合には、お祝いと激励の気持ちを込めた言葉を使います。
転勤や栄転であれば「御栄転御祝(ごえいてんおんいわい)」、新しい土地へ旅立つことを祝う意味で「御餞別(おせんべつ)」も使われます。
ただし、「餞別」という言葉は目上の方に使うと失礼にあたる場合があるため注意が必要です。その場合は、ひらがなで柔らかく「おはなむけ」と書いたり、どんな場合でも使える「御祝」としたりするのが無難でしょう。
引っ越し祝いにふさわしい水引の選び方と知っておきたい基本マナー
のし袋を華やかに飾る「水引(みずひき)」は、単なる飾り紐ではありません。その色や本数、結び方の一つひとつに、日本の伝統に基づいた深い意味が込められています。引っ越し祝いは、何度あっても喜ばしいお祝い事。それにふさわしい水引を選ぶ必要があります。ここで水引の正しい知識を身につけ、マナー違反にならないようにしましょう。
水引の色は紅白か金銀を選び慶びの気持ちを表現する
引っ越し祝いのようなお祝い事では、紅白または金銀の水引を選びます。
紅白は最もポピュラーなお祝いの色であり、金銀はより格式高いお祝いや、包む金額が大きい場合(5万円以上など)に使われることが多いです。
赤と白の組み合わせは、古くから縁起が良い「ハレ」の色とされており、お祝いの気持ちを表現するのに最適です。黒白や黄白の水引は不祝儀(お悔やみ事)用なので、絶対に間違えないように注意してください。
水引の結び方は何度でも繰り返したいお祝いを示す蝶結びを選びます
水引の結び方には、主に「蝶結び(ちょうむすび)」と「結び切り(むすびきり)」の二種類があります。
蝶結びは、リボンのように何度も結び直せることから「何度繰り返しても嬉しいお祝い事」に使われます。出産や入学、長寿祝い、そして引っ越し祝いもこちらに該当します。
一方で、結び切りは一度結ぶと固く解くのが難しいことから、「一度きりであってほしいお祝い事」、つまり結婚祝いや快気祝い、弔事などに使われます。引っ越し祝いに結び切りを使うのは重大なマナー違反ですので、必ず蝶結び(花結びとも言います)を選びましょう。
水引の本数は縁起の良い奇数である5本か7本が基本です
お祝い事で使われる水引の本数は、基本的に奇数とされています。これは、奇数が割り切れないことから「縁が切れない」という縁起を担いでいるためです。
一般的には5本結びの水引が最もよく使われ、市販の多くのご祝儀袋がこのタイプです。
より丁寧にしたい場合や、包む金額が3万円を超えるような高額な場合は、少し豪華な7本結びの水引を選ぶと良いでしょう。ご祝儀袋を購入する際に、パッケージに本数が記載されていることが多いので確認してみてください。
引っ越し祝いで贈る名前の書き方|個人で贈る場合の基本ルール
水引の下に書く名前は、誰からのお祝いなのかを伝えるための重要な部分です。一人で贈る場合はシンプルですが、それでも正しい書き方のルールがあります。表書きとのバランスや、使う筆記用具など、基本的なポイントを押さえて、丁寧な印象を与えられるようにしましょう。
名前は表書きの文字よりも少し小さめにフルネームで書くのがマナーです
水引の下の中央に、贈り主であるあなたの名前をフルネームで書きます。
このとき、上段に書いた「御新築御祝」などの表書きの文字よりも、気持ち小さめに書くと、全体の見た目のバランスが整い、非常に美しく仕上がります。
名字だけを書くのは略式とされ、特に目上の方へ贈る場合には失礼にあたる可能性があるので、必ずフルネームで書きましょう。
筆記用具は毛筆か筆ペンを使い濃い黒墨で心を込めて書きます
のし袋に文字を書く際は、毛筆や筆ペンを使用するのが正式なマナーです。お祝い事には、「喜びで墨が濃くなる」という意味を込めて、濃い黒色の墨を使います。
ボールペンやサインペンは事務的な印象を与えてしまうため、避けるのが無難です。もし毛筆に慣れていなくても、最近はぺんてる筆や呉竹の美文字筆ぺんなど、サインペンのように手軽に書ける高品質な筆ペンが多く市販されています。
文房具店や100円ショップでも手軽に購入できるので、一本用意しておくと冠婚葬祭で非常に便利です。弔事(お悔やみ事)で使う「薄墨」と間違えないように、必ず「濃墨」タイプを選んでください。
名前を書く位置は水引の真下中央に配置するのが正しい書き方です
名前を書き始める位置は、水引の結び目の真下からスタートします。
左右にずれたり、文字が曲がったりしないように、中心を意識してまっすぐに書きましょう。
もし、まっすぐ書く自信がない場合は、鉛筆でごく薄く中心線を引いておき、書き終わった後に消しゴムで優しく消すという方法もあります。その際は、のし紙を傷つけたり汚したりしないように、細心の注意を払ってください。
引っ越し祝いで贈る名前の書き方|夫婦や友人など連名の場合
複数人でお祝いを贈る「連名」の場合、名前の書き方には少し複雑なルールが存在します。誰の名前をどの順番で、どこに書くのかを知っておかないと、相手を混乱させてしまったり、失礼にあたってしまったりすることも。ここでは、夫婦や友人同士、職場の同僚など、様々なケースに応じた正しい連名の書き方を解説します。
夫婦連名で贈る場合は夫の名前を右に妻の名前を左に書きます
ご夫婦でお祝いを贈る場合は、まず水引の下の中央に夫の氏名(フルネーム)を書きます。
そして、その左側に寄り添うように、妻の名前のみを書き添えます。
このとき、夫婦で名字が同じなので、妻の名字は省略するのが一般的です。例えば、「山田 太郎」の左に「花子」と書きます。二人分の名前がのし袋の中央に来るように、バランスを考えて配置しましょう。
友人や同僚と3名以内で贈る場合は役職や年齢順に右から書きます
友人や職場の同僚など、3名までの連名で贈る場合は、全員の名前をフルネームで右から左へ順番に書き並べます。
このときの順番にはルールがあり、職場の同僚であれば役職や年齢が上の人を一番右に書きます。
友人同士で特に序列がない場合は、五十音順で書くと良いでしょう。全員の名前の大きさが均等になるように、また、全員の名前を合わせた時にちょうど中央に収まるように配置するのが美しく見せるコツです。
4名以上で贈る場合は代表者の名前を書き左に「外一同」と添えます
4名以上の大人数でお祝いを贈る場合は、全員の名前をのし袋の表面に書くと、文字が小さくなりごちゃごちゃして見栄えが悪くなってしまいます。
このような場合は、グループの代表者一人の名前を中央にフルネームで書き、その左下に「外一同(そといちどう)」または「他一同(たいちどう)」と少し小さめに書き添えます。
そして、お祝いを贈った全員の氏名と住所、各々が包んだ金額を書いた紙(奉書紙や半紙、きれいな便箋でも可)を別途用意し、中袋に同封するのが丁寧なマナーです。これを「有志一同」などと書くこともあります。
会社や部署として引っ越し祝いを贈る際の正しい名前の書き方
取引先の会社のオフィス移転祝いなど、法人としてお祝いを贈る機会もあるでしょう。個人で贈る場合とは異なり、会社名や役職の書き方にはビジネスシーン特有のルールがあります。相手に失礼のないよう、ビジネスにふさわしい正式な書き方をマスターしておきましょう。
会社名を入れる場合は名前の右側に少し小さめに書くのが基本です
会社名と個人の名前を両方書く場合は、まず水引の下の中央に代表者(社長など)の役職と氏名を書きます。
そして、その右側に、名前の文字よりも少し小さめに会社名を正式名称で記入します。
「株式会社」を「(株)」などと略さずに書くのがビジネスマナーです。例えば、「代表取締役 山田 太郎」の右側に「株式会社ABC商事」と書き添えます。
部署一同で贈る場合は「営業部一同」という書き方が一般的です
特定の部署のメンバー全員でお祝いを贈る場合は、部署名を明記します。
水引の下の中央に「株式会社ABC商事 営業部一同」のように書きます。
この場合も、個人の名前を全員分書くのではなく、「一同」という言葉でまとめます。そして、別紙にメンバー全員の氏名を書いて中袋に同封する方法は、友人同士の場合と同じです。
社長名で贈るか会社名で贈るかは相手との関係性で判断します
法人として贈る際に、社長の個人名で贈るか、会社名で贈るかは、相手との関係性によって判断します。
社長同士が個人的に親しい間柄であれば「代表取締役 鈴木一郎」と社長名で贈るのが自然です。
一方、会社対会社としてのお付き合いがメインであれば、「株式会社ABC商事」と会社名のみを書くか、「株式会社ABC商事 代表取締役 鈴木一郎」と併記するのが良いでしょう。どちらがより適切か迷った場合は、併記しておくのが最も丁寧です。
意外と知らない引っ越し祝いの中袋の書き方とお金の入れ方
のし袋の表書きばかりに気を取られがちですが、中に入れる「中袋」の書き方やお金の入れ方にも、相手への心遣いが表れる大切なマナーがあります。受け取った相手が気持ちよくスムーズに確認できるよう、細部まで気を配りましょう。ここでは、中袋の書き方からお札の向きまで、詳しく解説します。
中袋の表面には包んだ金額を大字で「金〇萬圓也」と書きます
中袋の表面、中央部分には、包んだ金額を記入します。このとき、数字の改ざんを防ぐ意味合いから、「壱、弐、参」といった漢数字の「大字」を用いるのが最も丁寧なマナーです。
| 金額 | 大字での書き方 |
| 1万円 | 金壱萬圓(または金壱萬円) |
| 2万円 | 金弐萬圓(または金弐萬円) |
| 3万円 | 金参萬圓(または金参萬円) |
| 5万円 | 金伍萬圓(または金伍萬円) |
| 10万円 | 金拾萬圓(または金拾萬円) |
最後に「也(なり)」を付けることもありますが、近年は省略されることも多いです。算用数字(1, 2, 3)や通常の漢数字(一, 二, 三)でも間違いではありませんが、大字で書くとより格式高い印象になります。中袋に金額を記入する欄が印刷されている場合は、それに従って記入すれば問題ありません。
中袋の裏面には贈り主の住所と氏名を忘れずに記入します
中袋の裏面の左下部分には、贈り主であるあなたの郵便番号、住所、氏名を記入します。
これは、受け取った方が後で誰からいくらいただいたのかを確認し、お返しなどをする際に必要になる非常に重要な情報です。
都道府県名から省略せずに書き、名前もフルネームで書きましょう。ここに記載がないと、相手を困らせてしまう可能性が非常に高いので、絶対に忘れないようにしてください。
お札は新札を用意し肖像画が表の上側に来るように入れます
お祝い事に包むお札は、できるだけシワや折り目のない「新札(ピン札)」を用意するのがマナーです。これは「このお祝いの日を心待ちにし、新しく準備しました」という気持ちを表すためです。
銀行の窓口で両替を依頼すれば、新札を用意してもらえます。お札を中袋に入れる際は、全ての向きを揃え、お札の表側(肖像画が描かれている面)が中袋の表側(金額が書かれている面)に向くように入れます。さらに、肖像画が上に来るように入れるのが正しい作法です。
これだけは知っておきたい引っ越し祝いのしに関するマナーと注意点
のし袋の書き方をマスターしても、渡すタイミングや金額の相場など、他にも知っておくべきマナーがあります。せっかく心を込めて準備したお祝いが、マナー違反で残念なものになってしまわないよう、ここで紹介するポイントをしっかり確認しておきましょう。ちょっとした知識が、あなたの評価を大きく左右することもあります。
引っ越し祝いを渡すタイミングは引っ越し後1ヶ月以内が目安です
引っ越し祝いを渡す最適なタイミングは、相手が新しい生活に少し落ち着いた頃、具体的には引っ越しから2週間後から1ヶ月以内が目安とされています。
引っ越し直後は荷解きや各種手続きで非常に忙しく、訪問されるとかえって負担になる可能性があるため避けましょう。
もし新居のお披露目会などに招かれた場合は、その際に持参するのがベストタイミングです。遠方で直接渡せない場合は、この期間内に現金書留で送るのが良いでしょう。その際は、必ずお祝いのメッセージを添えるのを忘れずに。
金額の相場は相手との関係性で決まりますが死や苦を連想する数字は避けます
包む金額は、相手との関係性によって変わります。あくまで目安ですが、以下を参考にしてみてください。
- 友人や会社の同僚:5,000円~10,000円
- 兄弟姉妹や親戚:10,000円~30,000円
- 親や子:50,000円~100,000円
金額を決める上で最も注意したいのが、縁起の悪い「忌み数」です。「4(死)」や「9(苦)」を連想させる4,000円、9,000円、4万円といった金額は、お祝い事では絶対に避けるのがマナーです。
のし袋はどこで買う?文房具店や百貨店、100円ショップでも購入可能です
引っ越し祝い用ののし袋(水引が紅白の蝶結びのもの)は、様々な場所で購入できます。
急いでいる場合は、お近くのコンビニエンスストアでも手に入ります。品揃えの豊富さを求めるなら、東急ハンズやロフト、伊東屋といった大型文房具店や、高島屋や三越伊勢丹などの百貨店の文具売り場がおすすめです。
また、最近ではダイソーやセリアなどの100円ショップでも、デザイン性の高いのし袋が数多く販売されており、手軽に準備することができます。包む金額に合わせて、袋の格式(デザインや紙質)を選ぶと良いでしょう。
もし書き間違えたらどうする?引っ越し祝いのしの失敗と対処法
どんなに気をつけていても、うっかり名前や金額を書き間違えてしまうことは誰にでも起こり得ます。しかし、お祝いの品であるご祝儀袋に修正液や修正テープを使うのは絶対にNGです。ここでは、万が一書き間違えてしまった場合の正しい対処法について解説します。焦らず、適切に対応しましょう。
修正液や二重線での訂正はマナー違反なので絶対に使わないでください
表書きや名前を書き間違えた際に、修正液や修正テープを使って直したり、二重線を引いて訂正印を押したりするのは、大変失礼にあたります。
これは、お祝いの気持ちを込めて贈る神聖なものに対して、汚れや傷をつける行為と見なされるためです。
見た目が美しくないのはもちろんのこと、相手に「間に合わせで準備したのかな?」という悪い印象を与えてしまいます。少しの書き損じであっても、修正はせずに新しいのし袋を用意するのが鉄則です。
軽い書き損じであれば新しいのし袋に書き直すのが最善の策です
一番良い対処法は、潔く新しいのし袋を用意して、一から書き直すことです。
のし袋はそれほど高価なものではないので、失敗した時のために予備を一枚多く買っておくと安心です。
例えば、100円ショップのダイソーなどでは2枚セットで販売されていることも多いので、そういった商品を選ぶのも一つの手です。完璧な状態で渡すことが、何よりのお祝いの気持ちの表現になります。
どうしても時間がない場合の最終手段としての対処法を知っておきましょう
どうしても新しいのし袋を買いに行く時間がない、という緊急事態の場合は、表書きや名前が印刷された短冊が別で付いているタイプのご祝儀袋であれば、その短冊だけを書き直すという方法があります。
もし短冊がなければ、やむを得ず、間違えた箇所に上から和紙などを小さく切って貼り、その上から書き直すという方法も考えられますが、これはあくまで最終手段であり、推奨される方法ではありません。
まとめ
今回は、引っ越し祝いののし袋の書き方について、表書きの選び方から水引のマナー、個人や連名での名前の書き方まで、具体的なステップに沿って詳しく解説しました。最後に、この記事の重要なポイントを振り返り、自信をもってお祝いを準備できるようにしましょう。
引っ越し祝いののしは相手の状況に合わせて表書きと水引を選ぶことが重要です
引っ越し祝いののし袋を準備する上で最も大切なことは、相手の状況を正しく理解し、それに合わせた言葉を選ぶことです。
新築なら「御新築御祝」、中古物件や賃貸なら「御引越御祝」など、適切な表書きを選びましょう。
また、水引は「何度あっても嬉しい」という意味を持つ紅白の「蝶結び」を選ぶのが鉄則です。これらの基本を押さえるだけで、あなたの丁寧な気持ちが相手に伝わります。
名前の書き方は個人か連名か会社かによってルールが異なるので注意が必要です
贈り主の名前は、誰からのお祝いかを伝える大切な情報です。個人で贈る場合はフルネームで、夫婦連名の場合は夫のフルネームの左に妻の名前を書きます。
3名までの連名なら右から目上の順に、4名以上なら代表者名と「外一同」と記し、別紙に全員の名前を書くのがマナーです。
これらのルールを守ることで、受け取った相手もスムーズに確認することができ、気遣いのできる人という印象を持たれるでしょう。
心を込めて丁寧に書くことが何よりも相手に気持ちを伝えるための秘訣です
毛筆や筆ペンを使い、濃い黒墨で一文字一文字丁寧に書くこと。これが、お祝いの気持ちを伝える上で何よりも大切なことです。
たとえ字に自信がなくても、心を込めて丁寧に書かれた文字は、その温かみとともに相手に必ず伝わります。
この記事で解説した書き方のステップとマナーを参考に、あなたの温かいお祝いの気持ちを、ぜひ素敵なのし袋にのせて届けてあげてください。
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