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引っ越し当日に冷蔵庫の電源はいつ入れる?すぐに入れたい人必見の最短時間と正しい手順

引っ越し、本当にお疲れ様です。
山積みの段ボールを前に、まず気になるのが「冷蔵庫の電源はいつ入れたらいいの?」ということではないでしょうか。

特に「キンキンに冷えた飲み物で一息つきたい」「スーパーで買ってきた生鮮食品を早くしまいたい」と考えている方は、一刻も早く電源を入れたいものですよね。

しかし、その気持ち、少しだけ抑えてください。
実は、引っ越し直後に焦って電源を入れると、長年連れ添った大切な冷蔵庫が故障してしまうという、最悪の事態を招きかねないのです。

この記事では、引っ越し当日に冷蔵庫の電源を入れるべき最適なタイミングと、どうしてもすぐ使いたい人のための最短時間、そして誰でも間違えようのない正しい手順を、専門用語も噛み砕いて徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは冷蔵庫のプロとして、安心して新生活の第一歩を踏み出せるようになっているはずです。

目次

【結論】引っ越し後の冷蔵庫の電源はすぐに入れず最低1時間待つのが正解

早速、この記事の核心からお伝えします。
引っ越しで移動させた冷蔵庫の電源は、設置後すぐにコンセントを差し込むのは絶対に避けるべきです。

「どうして?」「少しでも早く使いたいのに!」と思われるかもしれませんが、この「待つ」という一手間が、あなたの冷蔵庫を予期せぬトラブルから守るための、最も重要で効果的なお守りになります。
まずは、冷蔵庫を末永く、そして経済的に使うための基本ルールを理解しましょう。

なぜ引っ越し後すぐに冷蔵庫の電源を入れるのは避けるべきなのかを解説します

冷蔵庫は、見た目以上にとてもデリケートな構造をしています。
その心臓部である「コンプレッサー(圧縮機)」の中には、機械をスムーズに動かすための特殊な潤滑オイルと、庫内を冷やすための「冷媒ガス」が封入されています。

引っ越しの際のトラックの振動や、階段を運ぶときの傾きによって、このオイルが本来あるべきコンプレッサーの底から、冷媒ガスが循環する細い冷却パイプの中に流れ込んでしまうことがあるのです。

この状態で焦ってすぐに電源を入れてしまうと、粘り気のあるオイルがパイプの途中で詰まってしまい、冷却能力が著しく低下したり、最悪の場合はコンプレッサー自体が焼き付いて故障するという致命的なダメージに繋がります。
だからこそ、引っ越し後に冷蔵庫の電源をすぐに入れるのは絶対に避けるべきなのです。

冷蔵庫の電源を入れるまで最低でも1時間は待つべき具体的な理由について

では、具体的にどれくらいの時間、辛抱すれば良いのでしょうか。

ほとんどの冷蔵庫メーカー、例えばパナソニック日立、三菱電機などの取扱説明書を確認すると、設置後すぐの電源投入は推奨されていません。

推奨される待機時間は、運搬状況によって変わりますが、どんなに丁寧な引っ越しでも最低でも1時間は待つことが基本です。
この1時間という時間は、冷却パイプ内に迷い込んでしまったオイルが、重力によって自然に本来の位置(コンプレッサー)へ戻るために必要な最低限の時間なのです。

特に、やむを得ず冷蔵庫を横にして運んだ場合は、オイルが広範囲に移動している可能性が非常に高くなります。
そのため、半日(約12時間)から、念を入れるなら丸1日(24時間)程度待つことが強く推奨されます。

冷蔵庫の冷却装置が落ち着くまで待つことが故障を防ぐ第一歩になります

冷蔵庫の電源を入れる前の待機時間は、人間にとっての準備運動と同じです。

激しい運動の前にストレッチをして体をほぐすように、冷蔵庫も「引っ越し」という大きな環境変化の後には、内部のシステムを安定させるためのクールダウンタイムが不可欠です。
この「冷却装置が落ち着くのを待つ」という一手間が、結果的に高額な修理費用や痛い買い替えの出費を防ぐ、最も効果的で賢い自己防衛策となります。

アート引越センターサカイ引越センターといった引っ越しのプロたちも、設置後に必ず「しばらく時間を置いてから電源を入れてくださいね」とアドバイスしてくれます。
専門家のアドバイスには素直に従い、焦る気持ちをぐっとこらえて待つことが、新生活での余計なトラブルを避けるための最善の選択と言えるでしょう。

引っ越し当日に冷蔵庫の電源を入れるまでの具体的な手順をステップで解説します

冷蔵庫を「待たせる」ことの重要性をご理解いただけたところで、ここからは、誰でも間違えずに作業を完了できる具体的な流れを、3つのステップに分けて丁寧に解説していきます。
この手順通りに進めれば、不安なく冷蔵庫を稼働させることができます。

  1. ステップ1:冷蔵庫を水平に設置し、放熱スペースを確保する
  2. ステップ2:電源を入れずに指定の時間待機する
  3. ステップ3:電源を入れ、庫内が冷えるのを待つ

ステップ1 引っ越し先での冷蔵庫の水平な設置場所の確認と確保

最初のステップであり、最も基本となるのが設置場所の選定です。
冷蔵庫は、必ず硬く、水平で、安定した床の上に設置してください。

床が少しでも傾いていると、ドアが勝手に開いたり、逆に閉まりにくくなったり、運転中に「ブーン」という異音が発生する原因になります。
多くの冷蔵庫には、前面下部に高さを微調整できる「アジャスター」というネジ式の脚が付いています。
もし水準器がなければ、スマートフォンの水準器アプリでも代用できますので、それらを使いながらアジャスターを回して完璧に水平を保ちましょう。

また、冷蔵庫は運転中に内部の熱を外に逃がすことで冷却しています。
この「放熱」を妨げないよう、壁から適切な距離を離して設置することが非常に重要です。
一般的には左右は数センチ、背面は10センチ以上空けることが推奨されていますが、必ず取扱説明書で正しい放熱スペースを確認し、空気の通り道をしっかり確保してください。

ステップ2 冷蔵庫を設置してから電源を入れるまで待機する重要な時間

冷蔵庫をベストポジションに設置したら、いよいよ我慢の「待機時間」に入ります。
この時間が、冷蔵庫の未来を決めると言っても過言ではありません。

何度もお伝えしますが、運搬時の状況に応じて待ち時間を変えましょう。

  • 【縦置きで運んだ場合】慎重に運んでもらった場合でも、最低1時間は電源を入れずに待ちます。
  • 【横置き・斜め置きで運んだ場合】やむを得ず横にしたり、大きく傾けたりした場合は、最低でも6時間、できれば12時間以上待つのが理想です。

引っ越し作業が午前中に終わったなら、夕食後や寝る前まで待ってから電源を入れる、といったスケジュールを組むと安心です。
この待ち時間を有効活用して、他の荷解きを進めたり、近所への挨拶を済ませたり、新居のレイアウトを考えたりしましょう。

ステップ3 電源プラグをコンセントに差し込んでから庫内が冷えるのを待つ

規定の待機時間が経過したら、いよいよ冷蔵庫に命を吹き込む瞬間です。
電源プラグをコンセントに差し込みますが、この時、いくつかの注意点があります。

冷蔵庫は消費電力が大きいため、延長コードやたこ足配線は絶対に使用せず、壁にある専用のコンセントに直接差し込んでください。
これは、電圧の不安定化による故障リスクや、最悪の場合、過熱による火災を防ぐためです。

無事に電源を入れたら、すぐに食材を入れたい気持ちをもう一度だけ抑え、庫内が十分に冷えるまでさらに待ちます。
冷蔵庫がしっかり冷えるまでの時間は、季節や機種によって異なりますが、一般的に夏場は4時間~半日、冬場でも2時間~4時間程度かかります。
庫内に温度計を置くか、製氷機能がある場合は氷ができるのを待つのが、中に入れるタイミングの良い目安になります。

なぜ引っ越しで冷蔵庫の電源をすぐに入れると故障のリスクがあるのかを深掘り

「なぜ待つだけで故障が防げるの?」その科学的な理由をもう少し深く知ることで、待つことへの納得感が増し、より丁寧な取り扱いを心がけることができるはずです。
ここでは、冷蔵庫の心臓部であるコンプレッサーとオイルの少しマニアックな関係に焦点を当て、すぐに電源を入れることの危険性を具体的に解説します。

電源投入を待つべき理由のまとめ

  • 理由1:運搬の振動でコンプレッサー内のオイルが冷却回路に移動してしまうから。
  • 理由2:オイルが移動したまま電源を入れると、配管詰まりを起こし、冷却不良や故障の原因になるから。
  • 理由3:待機時間は、移動したオイルが自然に元の位置に戻るために必要だから。

冷蔵庫の冷却システムにおけるコンプレッサー内のオイルの重要な役割

冷蔵庫の背面下部には、黒い塊のような「コンプレッサー」というモーターが搭載されています。
これは、気体である冷媒を圧縮して高温にし、それが液体に変わる時に熱を奪うことで庫内を冷やす、まさに冷蔵庫の「心臓」です。

そして、この心臓がスムーズに、そして長期間にわたって動き続けるためには、内部に潤滑油、つまり専用の「オイル」が必要不可欠です。
このオイルは、高速で動くモーターの部品同士の摩耗を防ぎ、動作を滑らかにする、人間で言えば「関節の潤滑液」のような役割を果たしています。

通常、この重要なオイルはコンプレッサーの底に静かに溜まっており、冷却パイプを循環する冷媒ガスとは混ざらないように設計されています。
シャープ東芝などのメーカーも、このオイルが安定している状態での使用を大前提に製品を設計しているのです。

運搬時の振動でオイルが冷却回路に混入すると発生する冷蔵庫の不具合

ところが、引っ越しの際のトラックの揺れや、作業員が抱えて運ぶ際の傾きによって、コンプレッサーの底に溜まっているべきオイルが、まるでコップの水をこぼすように、冷媒ガスが通る細いパイプ(冷却回路)の中に流れ込んでしまうことがあります。

オイルは気体のガスと比べて粘度が高く、簡単には元の場所に戻りません。
このオイルが冷却回路内に残ったままの状態で電源を入れてしまうと、オイルがガスの正常な流れを邪魔して、血管が詰まるように配管詰まりを引き起こします。

これが「なぜか冷蔵庫が冷えない」という「冷却不良」の直接的な原因です。
さらに、詰まった箇所に無理に圧力がかかり続けることで、コンプレッサーに過剰な負荷がかかり、異音が発生したり、最悪の場合はモーターが焼き付いて完全に沈黙してしまうのです。

すぐに電源を入れることで起こりうる最悪のケースと高額な修理費用

もし、オイル詰まりが原因でコンプレッサーが故障してしまった場合、その修理は非常に高額になることを覚悟しなければなりません。

コンプレッサーは冷蔵庫の最も重要な基幹部品であるため、部品代と技術料を合わせると数万円以上の費用がかかることが珍しくありません。

場合によっては、新しい冷蔵庫を買い替えた方が安くつく、という悲しいケースさえあります。
例えば、5年前に10万円で購入した冷蔵庫のコンプレッサーが故障し、修理に5万円かかると言われたら、最新の省エネモデルに買い替えることを検討する方が多いでしょう。

たった数時間待つことを惜しんだために、数万円の予期せぬ出費が発生する可能性があるのです。
この金銭的リスクを考えれば、待機時間を設けることがいかに重要で、コストパフォーマンスの高い行動であるかお分かりいただけるはずです。

引っ越し前に知っておきたい冷蔵庫の電源をいつ切るかという重要な準備

引っ越し後のことばかりに目が行きがちですが、実は「引っ越し前の準備」も冷蔵庫にとっては非常に重要です。
特に、冷蔵庫の電源をいつ切るかというタイミングは、当日の作業をスムーズに進め、水漏れなどのトラブルを防ぐための鍵となります。

引っ越し前日に冷蔵庫の電源を切り中身を空にするのが理想的なタイミング

引っ越しの準備として、冷蔵庫の電源は、理想を言えば引っ越しの前日(24時間前)には切っておくのがベストです。

なぜなら、電源を切った後に「霜取り」と「水抜き」という、非常に重要な2つの作業が必要になるからです。
これらの作業には意外と時間がかかります。

もし引っ越し当日になって慌てて電源を切ると、霜が溶け切らなかったり、水抜きが不十分だったりして、運搬中に水が漏れて他の大切な家財や新居の床を濡らしてしまう大惨事になりかねません。
計画的に前日の夜までには冷蔵庫の中身を空にし、電源をオフにして、落ち着いて準備を進められる状態にしておきましょう。

冷蔵庫の電源を切った後に行うべき霜取りと水抜きの具体的な手順

電源を切ったら、まず「霜取り」を行います。
最近のファン式の冷蔵庫(アクアハイセンスの製品など)は自動霜取り機能が優秀で大きな霜は付きにくいですが、冷凍庫の奥などには氷が付着していることがあります。
電源を切ってドアを少し開けておけば、数時間で自然に霜や氷は溶けていきます。

次に、溶けた水を取り除く「水抜き」です。
溶けた水は、冷蔵庫の背面下部や内部の奥にある「蒸発皿」という受け皿に溜まる仕組みになっています。
この蒸発皿に溜まった水を、古い雑巾やスポンジで丁寧に吸い取るか、皿ごと取り外せるタイプであれば、取り外して水を捨ててください。
この作業を怠ると、冷蔵庫を傾けた瞬間に水がこぼれ出てくるので、絶対に忘れないようにしましょう。

電源を切るタイミングを逃した場合の食材の保存方法と上手な対処法

「計画通りに進まなくて、当日まで冷蔵庫を使わざるを得なかった…」そんな場合でも、慌てる必要はありません。

まずは、残っている生鮮食品や冷凍食品を、保冷効果の高いクーラーボックスに移しましょう。
ロゴスコールマンといったアウトドアブランドの高性能なクーラーボックスに保冷剤を多めに入れておけば、半日程度は食材の鮮度を十分に保つことができます。

また、引っ越し業者によっては、オプションサービスとして一時的に食材を預かってくれるクーラーボックスサービスを提供している場合があります。
例えば、ヤマトホームコンビニエンスの「わたしの引越」などが有名です。
事前に確認し、利用を検討するのも賢い選択です。

冷蔵庫の電源を入れてから食材はいつ入れることができるのかという疑問

無事に冷蔵庫の電源を入れることができたら、次に気になるのは「いつから大好きなアイスやビールを入れて良いの?」という点でしょう。
空っぽの冷蔵庫を早く食材で満たしたい気持ちは痛いほど分かります。

ここでは、電源投入後、安心して食材を入れられるようになるまでの時間の目安と、少しでもその時間を短縮する裏ワザを解説します。

電源を入れてから冷蔵庫が十分に冷えるまでの一般的な時間の目安

冷蔵庫の電源を入れてから庫内が十分に冷えるまでの時間は、製品の性能や周囲の温度によって大きく変わります。

一つの目安として、夏場であれば最低でも4時間以上、冬場であっても2〜3時間以上は見ておくのが安全です。
最新の高性能な冷蔵庫には急速冷凍・冷蔵機能が付いているものもありますが、基本的には焦らずじっくり待つのが冷蔵庫のためです。

庫内が完全に冷え切る前に常温の食材を大量に入れてしまうと、冷蔵庫に大きな負担がかかり、冷えるまでにかえって時間がかかってしまいます。
まずは飲み物など少量のものから入れてみて、十分に冷えることを確認してから本格的に食材を移すのがおすすめです。

夏場と冬場など季節によって冷蔵庫が冷えるまでの時間に違いはあるのか

はい、季節によって冷蔵庫が冷えるまでの時間は明確に、そして大きく異なります。

夏場は外気温が高いため、冷蔵庫が庫内を冷やすのにより多くのエネルギーと時間が必要になります。
そのため、完全に冷えるまでには半日(12時間)から、場合によっては24時間近くかかることも覚悟しておきましょう。

一方、冬場は外気温が低いため、比較的スムーズに冷却が進み、数時間で十分に冷えることが多いです。
引っ越しが夏か冬かによって、食材を買い出しに行くタイミングを「冷蔵庫の電源を入れて半日経ってから」などと調整すると、食材を無駄にせず、非常にスマートです。

食材を入れるタイミングを少しでも早めるための冷蔵庫の効率的な冷やし方

「それでも1秒でも早く冷やしたい!」というせっかちなあなたのために、少しでも早く冷蔵庫を冷やすための有効な工夫を2つご紹介します。

まず、最も重要なのは、電源を入れた後は、不必要にドアを開閉しないことです。
ドアを開けるたびに庫内の貴重な冷気が逃げ、外の暖かい空気が入り込んでしまうため、冷却効率が著しく低下します。

次に、多くの冷蔵庫にある温度設定を一時的に「強」に設定することで、コンプレッサーがフルパワーで稼働し、より早く冷却を進めることができます。
ただし、庫内が十分に冷えた後は、必ず適切な温度設定(通常は「中」)に戻すのを忘れないでください。
「強」のまま運転を続けると、食材が凍ってしまったり、電気代が無駄に高くなる原因になります。

もし間違ってすぐに冷蔵庫の電源を入れてしまった場合の具体的な対処法

どんなにこの記事を熟読して気をつけていても、引っ越しの慌ただしさの中で「あっ!うっかりすぐに電源を入れちゃった…」というミスは起こり得ます。

でも、絶望する必要はありません。
そんな時でも、慌てず正しく対処すれば、故障のリスクを最小限に抑えることが可能です。
ここでは、万が一の際の冷静なリカバリー方法について解説します。

すぐに電源を入れても冷蔵庫が全く冷えないときにまず確認すべきこと

すぐに電源を入れてしまい、「ブーン」という運転音はするのに、1時間経っても2時間経っても庫内が全く冷える気配がない。
そんな時は、まず落ち着いて状況を確認しましょう。

確認項目 チェックポイント
根本原因の可能性 コンプレッサーオイルが冷却回路に流れ込んでいる可能性が高いです。
電源周り 運搬の衝撃でプラグやコードが損傷していませんか?コンセントは正常ですか?
ブレーカー 引っ越し先の分電盤のブレーカーが落ちていませんか?
異変の有無 普段はしないような異常な音や、焦げ臭いような匂いはありませんか?

これらの基本的な点を確認しても原因が分からない場合、オイルが原因である可能性が高まります。

一度電源を切りコンセントを抜いてから改めて時間を置くのが最善の対処策

もし、すぐに電源を入れてしまったことに気づいた時点で、冷蔵庫がまだ正常に動いていたとしても、あるいは冷えが悪いと感じたとしても、最善の策は一つです。

それは、「すぐに電源を切り、コンセントプラグを抜く」ことです。
そして、そこから改めて正規の待機時間を設けてください。

つまり、最低でも1時間、できれば数時間から半日ほど、完全に放置するのです。
これは、運転によってさらに冷却回路の奥へと進んでしまったかもしれないオイルに、重力でコンプレッサーへ戻る最後のチャンスを与えるための「リセット作業」です。

一度失敗したからといって諦めず、このリセット作業を行うことで、冷蔵庫が何事もなかったかのように正常に復帰する可能性は十分にあります。

何度試しても冷蔵庫が冷えない場合に連絡すべき信頼できる相談先

リセット作業を行い、正しい手順で時間を置いて再度電源を入れても、やはり冷蔵庫が冷えない、あるいは「ガリガリ」「ブオーン」といった異音が続く場合、残念ながら自力での解決は困難です。
速やかに専門家に助けを求めましょう。

連絡すべき相談先は以下の通りです。

  • ① 購入した家電量販店やメーカー:ヨドバシカメラビックカメラなどの購入店のサポートセンター、または冷蔵庫本体に記載されているメーカーのカスタマーサービスに連絡します。保証期間内であれば無償修理の対象になる可能性があります。
  • ② 引っ越し業者:引っ越し業者は、運搬中の家財破損に備えて保険に加入しています。運搬が原因で故障したと判断された場合、保険が適用されることがあります。引っ越しを依頼した業者(例:日本通運)に、状況を正確に説明して対応を確認しましょう。

新しい冷蔵庫を引っ越しに合わせて購入した場合の電源を入れるタイミング

引っ越しを機に、心機一転、ピカピカの新しい冷蔵庫を購入する方も多いでしょう。
「新品なら、オイルの問題なんて関係ないからすぐに電源を入れても大丈夫でしょ?」と思いがちですが、実はその考えは少し危険です。

ここでは、新品の冷蔵庫を設置した際の電源投入のタイミングについて、意外と知られていない注意点を解説します。

新品の冷蔵庫であっても設置後すぐに電源を入れるのは推奨されない理由

新品の冷蔵庫であっても、あなたの家に届くまでには長い旅をしています。
工場から倉庫、店舗、そして自宅へと、トラックに揺られて輸送されているのです。

その過程で、引っ越しの時と同様に振動を受けたり、配送の都合で傾けられたりしている可能性は十分に考えられます。
そのため、たとえ新品ピカピカであっても、内部のオイルが安定するのを待つという意味で、設置後すぐに電源を入れるのは推奨されません。

もちろん、長年使った中古品に比べて故障のリスクは格段に低いですが、「万全を期す」ために、やはり設置後しばらく時間を置くのが、新しい相棒を長く大切に使うための賢明な判断です。

家電量販店からの配送設置サービスを利用した場合の電源投入の目安

ケーズデンキヤマダ電機といった家電量販店で冷蔵庫を購入し、配送設置サービスを利用した場合、多くはプロの配送スタッフが設置まで丁寧に行ってくれます。

その際、スタッフから「設置が終わりましたので、だいたい1時間後くらいにコンセントを入れてくださいね」といった案内があるはずです。

この指示には、必ず従ってください。
彼らは配送時の状況(トラックでの揺れ具合や搬入時の傾きなど)を考慮して、安全な待機時間をアドバイスしてくれています。
専門家である配送スタッフの指示を守ることが、新品の冷蔵庫を最高の状態で使い始めるための第一歩となります。

取扱説明書で必ず確認すべきメーカー推奨の冷蔵庫設置後の待機時間

最も確実で、そして最も信頼できる情報は、その製品に付属している「取扱説明書」に記載されています。
新しい冷蔵庫が届いたら、まずやるべきことは、取扱説明書の「設置について」や「初めてお使いになるとき」といった項目にじっくり目を通すことです。

そこには、メーカーがその製品のために推奨する壁からの距離や、水平の取り方、そして最も重要な電源を入れるまでの待機時間などが詳しく、そして正確に書かれています。
日立の「真空チルド」シリーズや、東芝の「ベジータ」シリーズなど、高機能でデリケートなモデルほど、メーカー独自の注意点がある場合もあります。

説明書の指示に従うことが、製品の性能を100%引き出し、トラブルを未然に防ぐ上で何よりも重要なことです。

まとめ

ここまで、引っ越し時の冷蔵庫の電源を入れるタイミングについて、その理由から具体的な手順、万が一のトラブル対処法まで、詳しく解説してきました。
最後に、この記事の重要なポイントを改めて確認し、あなたの新生活が最高の形でスタートできるよう、しっかりおさらいしましょう。

引っ越し後の冷蔵庫の電源はすぐに入れずに適切な時間を置くことが何よりも重要です

本記事で、あなたが絶対に覚えておくべき最も重要なポイント。
それは、引っ越しで運んだ冷蔵庫の電源は、設置後すぐにいれず、必ず時間を置いてからにする、という黄金のルールです。

内部のオイルを安定させるためのこの「待機時間」が、冷蔵庫の突然死を防ぎ、その寿命を延ばすための鍵となります。
最低でも1時間、できれば数時間待つという基本を忘れずに、焦らず落ち着いて対応しましょう。
このほんの少しの一手間が、後々の大きなトラブルや数万円の予期せぬ出費を防いでくれるのです。

正しい手順で冷蔵庫の電源を入れれば引っ越し後も安心して長く使えます

設置場所の水平確認、壁とのスペース確保、適切な待機時間、そして庫内が冷えるのを待ってから食材を入れる。
この正しいステップを踏むことが、安心への一番の近道です。

特に、やることが多くて慌ただしい引っ越し当日は、つい手順を飛ばしてしまいがちです。
しかし、この記事で紹介した具体的な手順を頭の片隅に置いておけば、一つ一つ着実に作業を進められるはずです。

正しい知識という武器を持って対処すれば、引っ越しが原因で冷蔵庫が壊れるといった悲しい事態はほぼ確実に避けられます。
大切な家財である冷蔵庫を、新居でも安心して長く使い続けていきましょう。

この記事で解説したポイントを参考にしてスムーズで快適な新生活を始めましょう

引っ越しは、新しい人生のステージの幕開けです。
冷蔵庫の電源という、知っていればなんてことない問題でつまずくことなく、気持ちよくスタートを切りたいものですよね。

この記事が、あなたのそんな思いを少しでもサポートできれば幸いです。
もしあなたの周りに、これから引っ越しを控えているご友人や知人がいたら、ぜひ「冷蔵庫の電源、すぐに入れちゃダメなんだって!」と、この情報を教えてあげてください。

正しい知識を共有することで、みんながハッピーで快適な新生活を送る手助けができます。
あなたの新生活が、最高に素晴らしいものになることを心から願っています!

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