新しい生活が始まる引っ越しは、期待で胸が膨らむ一方、ご近所への挨拶で何を持っていけば良いのか頭を悩ませる大きなイベントの一つです。
「相手に失礼がないようにしたい」「できれば喜んでもらいたい」と思っても、具体的に何がいいのか分からず困ってしまいますよね。
この記事では、そんなあなたの悩みをすべて解決するために、引っ越しの挨拶で渡す粗品の選び方から、予算別のおすすめアイテム、のしや渡し方の正しいマナーまで、すべての手順を写真や具体例を交えながら分かりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば、もう迷うことはありません。自信を持ってご近所付き合いの素晴らしい第一歩を踏み出せるようになります。
引っ越しの挨拶粗品は何がいいか結論から解説、迷ったら定番品の中から選ぶのがおすすめです
「引っ越しの準備で忙しくて、じっくり選んでいる時間がない」「とにかく失敗しないものを手っ取り早く知りたい」という方のために、まず結論からお伝えします。
引っ越しの挨拶で渡す粗品は、奇をてらわず、誰もが日常的に使う「消えもの」や日用品を選ぶのが最も安全で喜ばれる選択です。
ここでは、具体的な金額の相場と、なぜ定番品が良いのかという理由を詳しく解説しますので、ここさえ押さえておけば大きな失敗をすることはありません。
引っ越しの挨拶で渡す粗品の金額相場は500円から1000円程度が一般的です
引っ越しの挨拶で渡す粗品の金額相場は、一般的に500円から1,000円程度が目安です。
あまりに高価な品物、例えば3,000円を超えるようなものだと、受け取った相手に「お返しをしなくては」と気を遣わせてしまい、かえって心理的な負担をかけてしまう可能性があります。
逆に、100円程度の安すぎる印象を与えるものも避けた方が賢明です。この500円から1,000円という価格帯は、相手に気を遣わせることなく、純粋な「これからよろしくお願いします」という気持ちを伝えるのに最適な金額と言えるでしょう。
この予算であれば、スーパーやドラッグストアで手に入る少し上質な日用品や、デパ地下で販売されている見栄えの良い個包装のお菓子など、選択肢も豊富にありますので安心してください。
挨拶の粗品選びで迷ったらお菓子や洗剤といった消えものを選ぶのが失敗しないコツです
具体的に「何がいいか」品物で迷った場合は、食べ物や日用品といった、使ったり食べたりしたらなくなる「消えもの」を選ぶのが失敗しないための鉄則です。
「消えもの」とは、その名の通り、消費されてなくなるものの総称です。相手の家にずっと残る品物は、趣味に合わない場合に置き場所に困らせてしまったり、処分する際に気を遣わせてしまったりする可能性があります。
その点、お菓子や調味料、洗剤、ラップといった消耗品であれば、どの家庭でも使う機会があり、個人の好みが分かれにくいため、「もらって困る」という最悪の事態を確実に避けられます。
特に、個包装になっているお菓子や、キッチンに置いても生活感が出にくいデザイン性の高いキッチン用洗剤などは、見た目もおしゃれで贈り物として最適です。
大家さんや管理人さんへの挨拶品は少しだけ予算を上げて選ぶと良い印象を与えられます
これから何かとお世話になる大家さんや管理人さんへ渡す粗品は、ご近所の方へ渡すものよりも少しだけ予算を上げて、1,000円から2,000円程度の品物を選ぶと、より丁寧な気持ちが伝わり好印象です。
大家さんや管理人さんは、設備の故障や住民間のトラブルなど、困ったときに頼りになる存在です。最初の挨拶で良い関係を築いておくことで、今後の生活がよりスムーズになります。
例えば、少し高級なクッキーの詰め合わせや、有名ブランドのタオルギフトなどが選択肢に入ります。
もちろん、ご近所の方と同じ品物でも決して失礼にはあたりませんが、「日頃の感謝と、これからお世話になります」という気持ちを込めて少しだけ特別な配慮を示すことで、より円滑なコミュニケーションが期待できるでしょう。
多くの人に喜ばれる引っ越しの挨拶におすすめの粗品をジャンル別に具体的に紹介します
ここでは、実際に多くの人に選ばれており、「もらって嬉しい」と間違いなく感じてもらえる具体的なおすすめの粗品をジャンルごとにご紹介します。
定番のものから少し気の利いたものまで、さまざまな選択肢がありますので、渡す相手が一人暮らしか、お子さんのいるご家庭か、年配の方かなどを想像しながら、最適な一品を見つけてみてください。
甘いものが好きなご家庭におすすめな日持ちするお菓子や焼き菓子のギフトセット
お菓子は、引っ越しの挨拶品として最も選ばれている定番中の定番です。
特に、賞味期限が長く、常温で保存できる焼き菓子は、相手の都合の良い時に食べてもらえるため、失敗が極めて少ない選択肢と言えます。
お子さんがいるご家庭から一人暮らしの方まで、幅広い層に喜んでもらえるのが大きな魅力です。
| ブランド例 | 商品例 | 特徴 |
|---|---|---|
| ヨックモック | シガール | 知名度が高く上品な味わい。個包装で分けやすい。 |
| アンリ・シャルパンティエ | フィナンシェ | しっとりとした食感で高級感がある。 |
| ゴディバ | クッキーアソートメント | 有名ブランドで特別感を演出しやすい。 |
選ぶ際の注意点として、アレルギーに配慮し、卵や小麦、乳製品などの原材料がはっきりと記載されているものを選ぶと、より親切な印象を与えられます。
実用性を重視するなら食器用洗剤やラップといったキッチン周りの消耗品がおすすめです
「甘いものは食べないかもしれない」「より実用的なものが良い」と考えるなら、毎日使うキッチン周りの消耗品が非常に喜ばれます。
これらはまさに「消えもの」の代表格で、どの家庭でも必ず使うため、絶対に無駄になりません。
特に、洗浄力に定評があるライオンの「CHARMY Magica 酵素プラス」や、花王の「キュキュット」などは定番の人気商品です。
最近では、ジェームズマーティンの「薬用泡ハンドソープ」や、フロッシュの「食器用洗剤」など、デザイン性が高くおしゃれなパッケージのものも増えているため、贈り物として最適です。
旭化成の「サランラップ」のギフトセットなども、もらって困る人はまずいない、究極の安全策と言えるでしょう。
何枚あっても困らないタオルやふきんは品質にこだわったものを選ぶのがおすすめです
タオルやふきんも、挨拶品の選択肢として人気があります。これらも消耗品の一種であり、何枚あっても困らないアイテムです。
ただし、タオルを選ぶ際に最も重要なポイントは、「安価なものではなく、少し品質にこだわったものを選ぶ」ということです。
例えば、吸水性に優れ、肌触りの良い今治タオルブランドのハンドタオルやフェイスタオルは、品質の良さが広く知られており、贈り物として間違いありません。
また、無印良品の「ワッフル織りハンドタオル」や、中川政七商店の「花ふきん」なども、シンプルで使いやすく、おしゃれな印象を与えられます。
自分では普段買わないような、少し贅沢で上質なタオルは特別感があり、とても喜ばれるでしょう。
少し差をつけたい人向けのおしゃれで気が利く引っ越し挨拶のおすすめ粗品
「定番品も良いけれど、せっかく挨拶するなら少しセンスの良いものを選んで、良い第一印象を持ってもらいたい」と考える方もいるでしょう。
ここでは、定番から一歩進んで、受け取った相手に「この人、気が利いているな」と思ってもらえるような、おしゃれで少し珍しいおすすめの粗品をご紹介します。
コーヒーや紅茶のドリップバッグやティーバッグのセットは手軽でおしゃれな印象を与えます
コーヒーや紅茶のセットは、手軽に渡せるおしゃれなギフトとして非常に人気があります。お菓子と違ってかさばらず、パッケージもおしゃれなものが多いのが特徴です。
スターバックスの「オリガミ パーソナルドリップコーヒー」のギフトセットや、ドトールコーヒーのドリップカフェセットなどは、知名度も高く安心して贈ることができます。
紅茶であれば、LUPICIA(ルピシア)のティーバッグセットや、トワイニングのバラエティパックなどもおすすめです。
ポイントは、さまざまなフレーバーが入っているアソートタイプを選ぶことです。そうすれば、相手の細かい好みが分からなくても、どれか一つは気に入ってもらえる可能性が高まります。
休憩時間やリラックスタイムのお供として、素敵な時間を提供できるスマートな贈り物です。
その土地ならではの指定ゴミ袋は実用的でユニークな挨拶の粗品として喜ばれます
これは少しユニークな選択肢ですが、非常に実用的で喜ばれることがある「隠れた名品」です。
自治体によっては、ゴミを出す際に市町村が指定する有料のゴミ袋が必要な地域があります。そうした地域へ引っ越す場合、その指定ゴミ袋を数枚セットにして渡すと、大変喜ばれることがあります。
引っ越してきたばかりの時は、「指定ゴミ袋はどこで売っているのか」「どの種類を買えばいいのか」が分からなかったり、そもそも買いに行く時間がなかったりします。
そんな時に「この地域のゴミ袋です。燃えるゴミ用と燃えないゴミ用です。よかったら使ってください」と一言添えて渡せば、「なんて気が利いて親切な人なんだ!」という最高の第一印象を持ってもらえるでしょう。
自分ではあまり買わないような少し高級な調味料やドレッシングもおすすめです
普段使いの調味料よりもワンランク上のものも、「自分では買わないけど、もらうと嬉しい」と感じてもらえるギフトとして人気です。
例えば、茅乃舎(かやのや)の「茅乃舎だし」の小分けパックや、久世福商店の「風味豊かな万能だし」などは、料理好きな方には特に喜ばれます。
また、セゾンファクトリーの「リッチスタイルドレッシング」のような、素材にこだわった美味しいドレッシングも、いつものサラダを格上げしてくれる嬉しい贈り物です。
これらの調味料は、賞味期限が長く、食卓を豊かにしてくれる実用性も兼ね備えています。相手の食生活に彩りを添える、素敵なギフトになるでしょう。
引っ越しの挨拶で渡すのは避けた方が良い粗品と相手に配慮すべきポイント
良かれと思って選んだ品物が、実は相手を困らせてしまうこともあります。
ここでは、引っ越しの挨拶品として避けるべきものの具体例と、選ぶ際に配慮すべき重要なポイントを解説します。
相手への思いやりを忘れず、迷惑にならない品物選びを心がけることが、良好なご近所付き合いの第一歩です。
香りの強い石鹸や洗剤や入浴剤は人の好みがはっきりと分かれるため避けるのが無難です
香りつきの製品、例えば香りの強い石鹸、柔軟剤、ハンドソープ、入浴剤、アロマキャンドルなどは、人の好みがはっきりと分かれるため、避けた方が無難です。
自分が「良い香りだ」と感じても、相手にとっては不快な匂いだと感じられたり、香りが強すぎて気分が悪くなってしまったりする可能性があります。
特に、小さなお子さんやペットがいるご家庭、化学物質過敏症など香りに敏感な方にとっては、深刻な迷惑になってしまうことも考えられます。
もし日用品を選ぶのであれば、誰にでも受け入れられやすい「無香料タイプ」を選ぶのが最も安全な選択です。
手作りの食べ物や日持ちのしない生ものは衛生面やアレルギーの観点から避けるべきです
手作りのクッキーやお菓子、ケーキなどは、気持ちはこもっていますが、残念ながら挨拶の品としては絶対に避けるべきです。
見ず知らずの相手から手作りの品物をもらうことに、衛生面で不安や抵抗を感じる人は少なくありません。
また、賞味期限の短い生菓子や果物なども、相手が不在がちであったり、すぐに食べきれなかったりする場合に困らせてしまいます。
アレルギーの問題もあるため、必ず市販されているもので、原材料や賞味期限がはっきりと記載されている、日持ちのする品物を選ぶのが社会人としての最低限のマナーです。
相手の趣味がわからない段階で置物や写真立てなどのインテリア雑貨を贈るのはやめましょう
相手の家のインテリアの趣味が全くわからない最初の段階で、置物、マグカップ、タオル以外の布製品(玄関マットなど)、写真立てといった「残るもの」を贈るのは非常にリスクが高い選択です。
せっかく贈っても、相手の好みと合わなければ、嬉しいどころか「どうしよう…」と処分に困らせてしまうことになります。
ご近所付き合いが深まり、相手の好みが分かってからプレゼントするなら良いですが、初対面の挨拶では、誰でも使える、あるいは消費できる「消えもの」を選ぶという原則を徹底することが、相手への最大の思いやりです。
引っ越しの挨拶に使う粗品はどこで買うのがおすすめか具体的な購入場所を紹介します
いざ粗品を買おうと思っても、「どこで買うのが一番良いんだろう?」と迷うこともありますよね。
ここでは、目的やあなたの状況に応じて選べる、おすすめの購入場所を具体的にご紹介します。
それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った場所でスムーズに準備を進めましょう。
イオンやイトーヨーカドーなどの大型スーパーマーケットなら品揃えが豊富で一度に揃います
イオンやイトーヨーカドーといった大型スーパーマーケットは、挨拶品の購入場所として非常に便利で、最もおすすめな場所の一つです。
食料品から日用品まで幅広いジャンルの商品が揃っているため、お菓子、洗剤、ラップなどを一つの場所で見て比較検討することができます。
また、多くの店舗には贈答品コーナーが設けられており、ギフト用に包装された商品や、「御挨拶」と書かれた短冊のしが用意されていることもあります。
仕事帰りや他の買い物のついでに気軽に立ち寄れる手軽さも大きな魅力で、時間がない中でも効率的に準備を済ませたい方に最適です。
高島屋や三越伊勢丹などの百貨店デパ地下なら上質で特別感のある品物が見つかります
「大家さんへの挨拶品」や「特に丁寧に挨拶したい相手がいる」など、少し質の良いものや、特別感のある品物を選びたい場合は、高島屋、三越伊勢丹、大丸といった百貨店のデパ地下が最適です。
有名パティスリーの焼き菓子や、老舗ブランドのお茶、高級調味料など、贈答用としてふさわしい上質で洗練された品物が豊富に揃っています。
最大のメリットは、包装やのしの対応が非常に丁寧であることです。専門の販売員に「引っ越しの挨拶で使いたいのですが」と相談すれば、最適な品物を提案してくれ、のしの手配も完璧に行ってくれるため安心感が違います。
「絶対に失敗したくない」という場面では、百貨店を利用すると間違いないでしょう。
Amazonや楽天市場などの通販サイトは時間がない人でも手軽に注文できて便利です
引っ越しの準備で忙しく、「買い物に行く時間すらない!」という方には、Amazonや楽天市場、日用品がスピーディーに届くLOHACOといった通販サイトの利用が大変便利です。
自宅にいながら、スマートフォンやパソコンで24時間いつでも手軽に注文することができます。
「引っ越し 挨拶 粗品」などのキーワードで検索すれば、人気の商品がランキング形式で表示され、のし付きで販売されている便利なギフトセットも多数見つかります。
実際に購入した人のレビューを参考に選べるのも大きなメリットで、「他の人が何を選んでいるか」を確認しながら、安心して購入できるのが強みです。
第一印象を良くする引っ越しの挨拶品に添えるのしの正しい書き方とマナー
品物と同じくらい、あなたの第一印象を左右するのが、日本の贈り物文化の象徴でもある「のし(熨斗)」です。
正しいのしを用意することで、より丁寧で礼儀正しい印象を与えることができます。
ここでは、のしの選び方から表書きの書き方、名前の入れ方まで、これだけは押さえておきたい基本的なマナーを分かりやすく解説します。
のしは紅白の蝶結びの水引がかかれたものを選び表書きは御挨拶と書くのが一般的です
引っ越しの挨拶で使うのし紙は、水引(飾り紐)の種類に注意が必要です。
必ず、「紅白の蝶結び(花結び)」の水引が印刷されたものを選びましょう。蝶結びは「何度でも結び直せる」ことから、出産や進学など、何度あっても良いお祝い事やご挨拶に使われます。
水引の上段中央に書く言葉を「表書き」と言いますが、ここには「御挨拶」と書くのが最も一般的で丁寧です。
表書きの豆知識
旧居での挨拶の場合は「御礼」、謙遜した表現として「粗品」と書くこともありますが、「粗品」は自分をへりくだりすぎた表現と受け取られる可能性もあります。
新居での挨拶で迷ったら、どんな相手にも失礼のない「御挨拶」と書いておけば間違いありません。
水引の下段には自分の苗字をフルネームではなく苗字のみを筆ペンなどで記入します
水引の下段、中央部分には、贈り主であるあなたの名前を書きます。
この時、フルネームではなく苗字のみを記入するのが一般的です。これは、ご近所の方に「〇〇という苗字の人が越してきた」と覚えてもらうためのものです。
書く際は、ボールペンや鉛筆ではなく、筆ペンや濃いめのサインペンを使って、少し太めの字で丁寧に書きましょう。誰が読んでも分かるように、楷書ではっきりと書くのがポイントです。
のしは品物に直接かけてから包装する「内のし」と、包装紙の上からかける「外のし」がありますが、引っ越しの挨拶では、誰からの贈り物か一目でわかる「外のし」がおすすめです。
のしをつけ忘れた場合でも品物さえあれば失礼にはあたらないので安心してください
「うっかり、のしを付け忘れてしまった!」と焦る必要はありません。
のしはあくまでも、丁寧な気持ちをプラスするための形式的なものであり、必須ではありません。
もし、のしをつけ忘れてしまったり、用意する時間がなかったりした場合でも、品物を持参して笑顔で丁寧に挨拶をすれば、まったく失礼にはあたりません。
最も大切なのは、これからお世話になるという気持ちを込めて、直接顔を合わせて挨拶をするという行動そのものです。のしの有無で悩んで挨拶が遅れるくらいなら、のし無しでもすぐに伺うことを優先させましょう。
引っ越しの挨拶は誰にどこまでするべきか基本的な範囲と相手について解説します
新しい住まいでの挨拶は、「一体どこまでの範囲の方にすれば良いのだろう?」と迷う大きなポイントです。
挨拶をしすぎては相手に気を遣わせるかもしれませんし、足りなくても今後の関係に影響するかもしれません。
ここでは、一般的に挨拶が必要とされる範囲と、それぞれの相手について解説します。良好なご近所関係を築くための第一歩として、挨拶の範囲をしっかり把握しておきましょう。
新居での挨拶は向こう三軒両隣と言われる自分の家の両隣と向かいの三軒が基本です
昔から「向こう三軒両隣(むこうさんげんりょうどなり)」という言葉があるように、挨拶の基本範囲は以下の通りです。
- 一戸建ての場合:自分の家の両隣の二軒と、道を挟んだお向かいの三軒、そして真裏のお宅。合計6軒が基本です。
- マンション・アパートの場合:自分の部屋の両隣の二軒と、真上、真下の部屋の四軒が基本です。
特に、マンションやアパートでは、生活音が響きやすい上下階への挨拶は、今後の騒音トラブルを未然に防ぐためにも非常に重要です。
また、角部屋の場合は接する部屋が少ないですが、同じ階の住民と顔を合わせる機会は多いため、同じフロアのすべてのお部屋に挨拶しておくとより安心です。
大家さんや管理人さんがいる場合はこれからお世話になるため必ず挨拶に行きましょう
アパートやマンションに大家さんや管理人さんがいる場合は、ご近所の方への挨拶とは別に、必ず挨拶に伺いましょう。
同じ建物内や近くに住んでいる場合は直接訪問し、粗品を渡して挨拶します。もし遠方に住んでいる場合は、引っ越しが無事に済んだ報告として電話で一報を入れるのがマナーです。
これから設備の不具合や家賃の相談、その他のトラブルなどで何かとお世話になる相手です。
最初にきちんと筋を通して挨拶をしておくことで、困ったときに相談しやすくなり、良好で信頼に基づいた関係を築くことができます。
旧居のご近所の方々にもこれまでのお礼として簡単な品物を持って挨拶すると丁寧です
意外と見落としがちですが、これまでお世話になった旧居のご近所の方々にも挨拶をしておくと、非常に丁寧で良い印象を残せます。
特に親しくしていた方や、何かとお世話になった方には、引っ越しの1週間前から前日までの間に「〇日に引っ越すことになりました。これまで大変お世話になりました。」と報告とお礼を伝えに伺いましょう。
その際にも、500円程度の簡単な品物を持参すると、より感謝の気持ちが伝わります。
のしの表書きは「御礼」とし、立つ鳥跡を濁さずの精神で、お互いに気持ちよくお別れをすることが大切です。
引っ越しの挨拶に伺うのに最適なタイミングと時間帯はいつがいいか解説します
挨拶に行くタイミングも、相手への配慮が問われる重要なポイントです。
早すぎても遅すぎても、また訪問する時間帯が悪くても、せっかくの挨拶が迷惑になってしまいかねません。
ここでは、相手に負担をかけない、挨拶に最適なタイミングと時間帯について具体的に解説します。
挨拶のタイミングは引っ越しの前日から引っ越し当日もしくは翌日までに済ませるのが理想です
引っ越しの挨拶に伺う最適なタイミングは、可能であれば引っ越しの前日、難しければ引っ越し当日か、遅くとも翌日までには済ませるのが理想的です。
なぜなら、引っ越し作業中はトラックの駐車や作業員の出入り、荷物を運ぶ音などで、どうしてもご近所に騒音や不便をかけてしまうからです。
そのため、前日に「明日、引っ越し作業でご迷惑をおかけします」と一言断っておくと、非常に丁寧な印象を与えられ、トラブルを未然に防ぐことができます。
遅くとも引っ越しから1週間以内には挨拶を済ませるように心がけましょう。
訪問する時間帯は相手が在宅している可能性が高い土日祝日の日中がおすすめです
挨拶に訪問する時間帯は、相手が在宅している可能性が高く、食事や就寝、身支度などの忙しい時間を避けた時間帯を選ぶのが絶対的なマナーです。
具体的には、土日祝日の午前10時から夕方5時くらいまでの間が最も適しています。
平日に伺う場合は、出勤前の慌ただしい時間帯や、お昼時(12時~13時)、夕食の準備で忙しい夕方以降(18時以降)は避けましょう。
早朝(午前9時以前)や夜間(午後8時以降)の訪問は非常識だと思われる可能性が非常に高いので、絶対に避けるべきです。
相手が不在の場合は日を改めて訪問し何度か不在なら手紙と品物をドアノブにかけておきます
一度訪問して不在だった場合は、すぐに諦めずに、日や時間を変えて2~3回は訪問してみるのが丁寧です。
それでも何度か訪問して相手が不在の場合は、無理に待ち伏せしたりせず、挨拶状と品物をドアノブにかけておくと良いでしょう。
その際は、以下の点に注意してください。
- 品物が雨などで汚れないように、きれいなビニール袋などに入れる。
- 風で飛ばされたり落ちたりしないように、ドアノブにしっかりと結びつけておく。
- 手紙を添える。
手紙には、自己紹介と「何度かご挨拶に伺ったのですが、ご不在でしたのでこちらに置かせていただきます」という旨、そして「これからどうぞよろしくお願いいたします」という気持ちを書き添えておくと、あなたの丁寧な人柄が伝わります。
好印象を与える引っ越しの挨拶の具体的なセリフと会話の例文を紹介します
いざインターホンを押すとなると、「何を話せば良いんだろう…」と緊張してしまいますよね。
ご安心ください。挨拶は決して難しいものではありません。ここでは、実際に使える挨拶の具体的なセリフや会話の例文をシチュエーション別にご紹介します。
これを参考にすれば、スムーズに自己紹介ができ、相手に明るく爽やかな良い印象を与えることができます。
初めての挨拶では笑顔ではっきりと自分の名前とどこに引っ越してきたかを伝えましょう
第一印象は、最初の数秒で決まると言われています。インターホンを押し、相手が出てきたら、まずはマスクを外し、笑顔ではっきりと挨拶をしましょう。
緊張するかもしれませんが、明るい声のトーンを意識するのがポイントです。
基本の挨拶セリフ例文
「はじめまして。本日、お隣の101号室に引っ越してまいりました、田中と申します。」
「これからお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。」
このように、「どの部屋に」「誰(苗字)が」引っ越してきたのかを明確に伝えることが重要です。
小さな子供がいる場合は事前にそのことを伝えておくと後のトラブル防止につながります
もしご自身の家庭に小さな子供がいる場合は、挨拶の際にそのことを一言伝えておくと、後の騒音トラブルなどを未然に防ぐことに繋がります。
正直に伝えることで、相手も「子供がいるなら仕方ないな」と寛容な気持ちになりやすくなります。
これは非常に重要な配慮であり、言わなかった場合と比較して、相手の心象は大きく変わります。
子供がいる場合の挨拶セリフ例文
「(基本の挨拶に加えて)実は、うちにまだ小さい子供がおりまして、元気すぎて足音などでご迷惑をおかけすることがあるかもしれません。」
「重々気をつけてまいりますので、何かお気づきの点がありましたら、いつでもお声がけください。どうぞよろしくお願いいたします。」
このように、「ご迷惑をおかけするかもしれない」というお詫びと、「気をつけます」という姿勢を示すことが大切です。
粗品を渡す際はつまらないものですがと謙遜しつつご挨拶のしるしですと伝えましょう
持参した粗品を渡す際には、謙遜の言葉を添えながら、紙袋や風呂敷から出して両手で渡すのが丁寧です。
昔ながらの「つまらないものですが」という謙遜の言葉を使っても問題ありませんが、最近ではより直接的な表現も好まれます。
粗品を渡す際のセリフ例文
「ささやかではございますが、ご挨拶のしるしです。よかったらお使い(お召し上がり)ください。」
(会話の流れを見ながら)「どうぞ、よろしくお願いいたします。」
大切なのは、品物そのものよりも挨拶という行為です。相手の貴重な時間を奪わないよう、長々と話し込まず、手短に済ませるのがスマートな大人のマナーです。
まとめ
ここまで、引っ越しの挨拶で渡す粗品の選び方から、購入場所、正しいマナー、そして渡し方の具体的な手順まで、あらゆる疑問にお答えしてきました。
最後に、この記事の最も重要なポイントをもう一度おさらいし、あなたが自信を持って新しい生活の第一歩を踏み出せるように後押しします。
引っ越しの挨拶の粗品は相手への配慮を忘れず予算内で実用的なものを選ぶことが大切です
引っ越しの挨拶で渡す粗品選びで最も大切なことは、相手への配慮の気持ちです。
相場である500円から1,000円程度の予算内で、お菓子や日用品といった、誰もが使いやすい実用的な「消えもの」を選ぶことが、失敗しないための最大のポイントです。
香りの強いものや、趣味が分かれるインテリア雑貨などは避け、相手の負担にならない品物を選びましょう。
品物選びだけでなくのしのマナーや挨拶に行くタイミングも第一印象を左右する重要な要素です
良い品物を選ぶことと同じくらい、のしのマナーを守ったり、相手の都合を考えた適切なタイミングで訪問したりすることも、あなたの第一印象を良くするために非常に重要です。
「紅白蝶結び」ののしに「御挨拶」と書き、土日祝日の日中に訪問するという基本をしっかり押さえておきましょう。
これらの丁寧な振る舞いの一つひとつが、これからの良好なご近所関係の礎となります。
この記事を参考に準備すればあなたは自信を持って引っ越しの挨拶をすることができます
この記事では、引っ越しの挨拶に関するあらゆる情報を網羅的に解説しました。
「何がいいか」と分からなかった粗品選びも、具体的なおすすめ商品を知ることで解決し、渡し方の手順やマナーも完全に理解できたはずです。
もう何も心配することはありません。この記事を参考に万全の準備を整え、笑顔でご近所の方々に挨拶をしてください。
あなたの新生活が、素晴らしい人間関係と共にスタートすることを心から願っています。
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