引っ越しの準備の中でも、特にデリケートで「これ、どうやって運べばいいの?」と頭を抱えてしまうのがテレビの梱包ではないでしょうか。
専門の引っ越し業者にすべてお任せするプランは確かに安心ですが、料金が気になるところ。少しでも費用を抑えるために、自分で挑戦してみたいと考えている方も多いはずです。
この記事では、テレビの梱包に初めて挑戦する方でも、安全かつ確実に作業を終えられるように、具体的な梱包方法をステップ・バイ・ステップで詳しく解説します。必要な道具の紹介から、購入時の箱がない場合の目からウロコの対処法、そして運搬時の注意点まで、あなたの引っ越しに関する不安をスッキリ解消します。
結論から解説!自分でテレビを引っ越しのために安全に梱包する基本的な方法と手順の全体像
時間がなくてとにかく概要だけ知りたい!という方のために、まずはテレビを自分で梱包する際の基本的な流れの全体像を3ステップでご紹介します。
この手順を頭に入れておくだけで、実際の作業が驚くほどスムーズに進みます。細かい注意点やプロの技は後の章で詳しく説明しますが、まずはここを読んで全体像を掴んでください。
最初にテレビの電源を落とし配線類をすべて取り外してまとめることから始めるのが梱包の基本です
テレビの梱包作業は、まず本体の主電源を切り、壁のコンセントから電源プラグを抜いて、テレビを完全にオフにすることから始まります。これは感電のリスクをなくし、安全に作業するための絶対的な第一歩です。
次に、テレビに接続されているアンテナケーブルや、ブルーレイレコーダー、ゲーム機などと繋がっているHDMIケーブルなどをすべて丁寧に取り外します。この時、どのケーブルがどの機器に繋がっていたか分かるように、マスキングテープなどにメモを書いて貼っておくと、新居での再接続が非常に楽になります。
次にテレビの液晶画面を保護するために緩衝材で優しく包み込む方法が重要になります
テレビの梱包で最も神経を使い、かつ重要なのが、衝撃に弱い液晶画面の保護です。画面に傷がついたり、最悪の場合割れたりするのを防ぐため、緩衝材で画面全体をしっかりと覆います。
気泡緩衝材、通称「プチプチ」と呼ばれるシートや、なければ毛布やバスタオルといった厚手の布を用意してください。画面のサイズよりも少し大きめにカットした緩衝材を画面に当て、テープで優しく固定します。この時、粘着力の強いガムテープを直接画面に貼ることは絶対に避けてください。粘着剤が画面に残り、表面のコーティングを傷つける致命的な原因になります。必ず、剥がしやすい養生テープを使いましょう。
テレビ全体をダンボールや毛布で包み込んでしっかりと固定し運搬の準備を整える方法
画面を保護したら、次はテレビ本体全体を包んでいきます。購入時の専用箱があればそれを使うのが最も安全ですが、ない場合がほとんどでしょう。
その際は、「巻きダンボール」と呼ばれるロール状のダンボールや、複数のダンボールを解体してつなぎ合わせたものでテレビ全体を覆います。特に角の部分は衝撃を受けやすい急所なので、タオルなどを挟んで厚めに保護するとより安全です。全体を包んだら、運搬中に梱包がずれないように布テープなどで何か所も固定し、最後にマジックで「テレビ・ワレモノ」と大きく書いておきましょう。
テレビの引っ越し梱包を自分で行うために絶対に準備しておくべき道具の一覧とその入手方法
テレビの梱包をスムーズかつ安全に行うためには、事前の道具の準備が成功の9割を占めると言っても過言ではありません。いざ作業を始めてから「あれがない、これがない」と慌てないように、あらかじめ必要なものをリストアップして揃えておきましょう。
ここでは、具体的にどんな道具が必要で、それらをどこで手に入れられるのかを詳しく紹介します。
- 画面保護材:気泡緩衝材(プチプチ)、毛布、バスタオルなど
- 本体梱包材:巻きダンボール、大きめのダンボール、プラダンなど
- テープ類:養生テープ、布テープ(またはガムテープ)
- ケーブル整理用品:結束バンド、輪ゴム、ジッパー付き保存袋、マスキングテープ
- その他:カッター、ハサミ、油性マジック
画面保護の必需品である気泡緩衝材や毛布を準備する方法
テレビの命である液晶画面を守るためには、無数の気泡がクッションの役割を果たす気泡緩衝材、通称「プチプチ」が最も適しています。これはカインズやコーナンといった大手のホームセンターや、最近ではダイソーやセリアなどの100円ショップでも様々なサイズが購入可能です。
テレビの画面サイズより一回り大きいサイズを用意しましょう。もし手に入らない場合は、家庭にある清潔な毛布や厚手のバスタオルでも代用できます。その際は、ホコリや硬いゴミが付着していないかをよく確認してから使用してください。
テレビ本体を包むための巻きダンボールや代替となる大きなダンボールの入手方法
購入時の箱がない場合、テレビ本体を包むための大きなダンボール資材が必要です。最もおすすめなのは、ホームセンターで販売されている「巻きダンボール」です。これはロール状になっており、テレビのサイズに合わせて自由にカットして使えるため非常に便利で、プロの業者もよく使用します。
また、スーパーやドラッグストアで無料でもらえる大きめのダンボールを複数枚集め、カッターで解体してつなぎ合わせて使う方法もあります。引っ越し業者によっては、テレビ専用の梱包資材を別売りしている場合もあるので、契約時に確認してみるのも良いでしょう。
梱包材を固定するための養生テープや布テープといった粘着テープを自分で用意する方法
梱包材を固定するためには、性質の違う数種類のテープを用意しておくと作業が格段にはかどります。まず、画面に緩衝材を仮止めする際に使う「養生テープ」です。これは粘着力が弱く、きれいにはがせるため、テレビ本体を傷つける心配がありません。
次に、ダンボールをがっちりと固定するための「布テープ」や「クラフトテープ(ガムテープ)」です。これらは粘着力が強いので、運搬中に梱包が崩れるのを防いでくれます。デリケートな部分には養生テープ、強度が必要な部分には布テープと、用途に合わせて使い分けるのがプロの技です。
ステップ1 テレビの電源を切り配線コードや周辺機器を丁寧に取り外す具体的な方法
梱包作業の最初のステップは、テレビ周りの配線や機器を安全に取り外すことです。焦って作業すると、ケーブルを断線させたり、新居で「このケーブル、どこに挿すんだっけ?」と途方に暮れたりします。
ここでは、新居での再設置をスムーズにするための、賢い取り外し方法を詳しく解説します。作業前に、まず現状の配線状態をスマホで撮影しておくと、後で確認できるので非常におすすめです。
テレビ本体の電源プラグやアンテナケーブルを安全に取り外す方法
まずは、テレビの主電源がオフになっていることを確認し、壁のコンセントから電源プラグを抜きます。次に、壁のアンテナ端子に繋がっているアンテナケーブルを、テレビ本体と端子の両方から取り外します。
このとき、ケーブルを無理に引っ張らず、接続部分のネジをゆっくり回したり、プラグの根元をしっかり持ってまっすぐ引き抜いたりするように注意してください。力任せに扱うと、端子部分が破損する恐れがあります。
録画機器やゲーム機に繋がるHDMIケーブルを自分で取り外す方法
ブルーレイレコーダーやDVDプレーヤー、家庭用ゲーム機など、テレビには様々な周辺機器がHDMIケーブルで接続されています。これらのケーブルも一本ずつ丁寧に取り外していきましょう。
テレビ側と周辺機器側の両方から、プラグの根元を持ってまっすぐ引き抜きます。複数の機器を接続している場合は、どのケーブルがどの機器のどの端子(HDMI1, HDMI2など)に繋がっていたか分からなくなりがちなので、ここでもマスキングテープでのメモが活躍します。
取り外したケーブル類をなくさずに新居で迷わず再接続するための梱包方法
取り外したケーブル類は、紛失したりスパゲッティのように絡まったりしないように、一本ずつ束ねておくのがおすすめです。結束バンドや輪ゴムで軽くまとめ、どのケーブルか分かるようにマスキングテープを貼り、「テレビ電源」「レコーダーHDMI」のようにメモを書いておくと非常に便利です。
さらに、全てのケーブルとリモコン類を一つのジッパー付き保存袋や小さな箱にまとめておけば、引っ越しの際に紛失する心配がありません。この一手間が、新居でのイライラを劇的に減らしてくれます。
ステップ2 液晶画面を保護する!テレビの傷を防ぐための最も重要な梱包方法
テレビの梱包において、最も神経を使うべきがデリケートな液晶画面の保護です。わずかな衝撃や、指で強く押すような圧力でも、画面に修復不可能な傷やヒビが入ってしまうことがあります。
ここでは、まるでプロのように液晶画面を完璧に保護するための具体的な手順と、絶対にやってはいけない注意点を詳しく説明します。
気泡緩衝材いわゆるプチプチをテレビ画面の大きさに合わせてカットする方法
まず、用意した気泡緩衝材(プチプチ)を床に広げ、テレビの画面よりも縦横それぞれ10センチメートルほど大きいサイズにカッターやハサミでカットします。このとき、気泡の凸凹した面を画面側に向けるのがポイントです。空気の層が直接画面を守るクッションになります。
プチプチが薄いと感じる場合は、ケチらずに二重、三重に重ねて使うと保護性能が格段に高まります。大型テレビの場合は、一枚で覆うのが難しいので、複数枚を少し重ねてテープでつなぎ合わせてから使うと良いでしょう。
カットした緩衝材をテレビ画面に当てて養生テープで仮止めする方法
カットした気泡緩衝材を、テレビの画面全体が完全に覆われるように優しく当てます。このとき、緩衝材がずれないように、テレビのフレーム(枠)部分に養生テープを使って数か所仮止めします。
養生テープは粘着力が弱く、剥がしたときに跡が残りにくいのが特徴です。絶対に、セロハンテープやガムテープのような粘着力の強いテープを画面や光沢のあるフレームに直接貼らないでください。テープの粘着剤が残ってしまったり、最悪の場合、画面のコーティングを剥がしてしまったりする危険性があります。
さらに毛布やタオルケットでテレビ全体を包み込み二重に保護する方法
気泡緩衝材で画面を保護した上から、さらに毛布やバスタオルなどの厚手の布でテレビ全体を包み込むと、保護レベルが「万全」に近づきます。これは、運搬中の細かな振動を吸収し、万が一どこかにぶつけてしまった際の衝撃を和らげる効果があります。
毛布で包んだら、荷造り用の紐や、伸び縮みするストレッチフィルムなどで軽く固定しておくと、次のダンボールで包む作業がしやすくなります。この一手間が、安心感に繋がります。
ステップ3 テレビ本体をダンボールで包む!購入時の箱がない場合の代替方法
理想は購入時の専用箱と、ぴったりはまる発泡スチロールを使うことですが、ほとんどの家庭では場所を取るため処分してしまっているでしょう。しかし、心配は無用です。
専用の箱がなくても、身近な材料やホームセンターで手に入るアイテムで、安全にテレビを梱包する方法はたくさんあります。ここでは、その具体的な代替方法をいくつかご紹介します。
ホームセンターで手に入る巻きダンボールを利用したテレビの梱包方法
最もおすすめなのが、ホームセンターの梱包資材コーナーで販売されている「巻きダンボール」です。これは片面が波状になったダンボールがロール状に巻かれており、好きな長さにカットして使えます。
テレビの前面から背面にかけてぐるりと一周するように巻き付け、テレビの形に沿わせて包み込みます。特に衝撃を受けやすい四隅は、二重に巻くか、余ったダンボールを折りたたんでクッションとして挟み込むとより安心です。全体を包んだら、布テープで複数箇所をしっかりと固定します。
複数の通常ダンボールを解体してつなぎ合わせ大きな梱包材を自作する方法
コストをさらに抑えたい場合は、スーパーやドラッグストアで譲ってもらえる無料のダンボールを活用する方法があります。なるべく大きく綺麗なダンボールを複数枚用意し、カッターで丁寧に解体して平らな一枚の板状にします。
それらをテレビの大きさに合わせてガムテープでつなぎ合わせ、自作の梱包材を作ります。テレビの前面と背面にそれぞれ一枚ずつ当て、側面も別のダンボールで覆い、箱状になるように組み立てていく方法です。手間はかかりますが、十分に強度のある梱包が可能です。
プラスチックダンボールいわゆるプラダンを利用した頑丈なテレビ梱包方法
より強度を求めるなら、プラスチック製のダンボール、通称「プラダン」を利用するのも非常に有効な方法です。プラダンは紙製のダンボールよりも水や衝撃に強く、カッターで加工しやすいのが特徴です。
ホームセンターで様々なサイズのものが販売されています。テレビの前面と背面を覆うように2枚のプラダンを当て、その周りを巻きダンボールで固定するという合わせ技も、非常に高い保護効果が期待できます。繰り返し使えるので、将来また引っ越す可能性がある方にもおすすめです。
ステップ4 取り外した配線やリモコンをなくさないための賢い梱包方法
テレビ本体の梱包に集中するあまり、意外と忘れがちなのがリモコンやケーブル類といった付属品の管理です。これらを適当に他の荷物と箱詰めしてしまうと、新居で「リモコンがない!」「どのケーブルか分からない!」といったプチパニックに見舞われます。
ここでは、そうした事態を防ぎ、新生活のスタートをスムーズにするための賢い小物類の梱包術を紹介します。
テレビのリモコンや電源コードなどを一つの袋にまとめて管理する方法
テレビの梱包作業で取り外した電源コード、HDMIケーブル、アンテナケーブル、そしてテレビのリモコンとB-CASカード。これらは全て、テレビを再び使うために必要不可欠なものです。
これらをバラバラにせず、大きめのジッパー付き保存袋や中身の見える透明なビニール袋にまとめて入れましょう。袋の口をしっかり閉じておくことで、紛失を防ぎ、ホコリや万が一の水濡れからも守ることができます。
ケーブル類を束ねてどの機器のものか分かるように目印をつける方法
複数のケーブルがある場合、新居でどれがどのケーブルか分からなくなることが本当によくあります。そうならないために、ケーブルを取り外す際に、マスキングテープを小さく切って貼り付け、「テレビ電源」「レコーダー接続用」などと油性ペンで書いておきましょう。
この一手間があるだけで、新居での配線作業の効率が劇的に向上します。ケーブルは、結束バンドや針金入りのビニールタイで軽く束ねておくと、袋の中で絡まるのを防げます。
付属品を入れた袋をテレビ本体の梱包に貼り付けておくという梱包方法
付属品を入れた袋を、どこにしまったか忘れてしまうのもよくある失敗です。これを防ぐための最も確実な方法は、付属品の入った袋を、梱包したテレビ本体に養生テープなどで貼り付けておくことです。
こうすれば、テレビを開封すれば必ず付属品も一緒に出てくるため、紛失のリスクがほぼゼロになります。ただし、運搬中に剥がれてしまっては元も子もないので、テープで複数箇所をしっかりと固定することが重要です。
大型テレビや有機ELテレビを自分で梱包する際に特に注意すべき特別な点
近年主流となっている50インチ以上の大型テレビや、非常にデリケートな有機ELテレビは、通常の液晶テレビ以上に慎重な梱包が求められます。構造的な特徴を理解し、特別な配慮をすることが大切です。
ここでは、これらの特殊なテレビを自分で梱包する際に、特に気を付けたいプロ目線のポイントについて詳しく解説します。
一人での作業は危険なため必ず二人以上でテレビの梱包作業を行う方法
50インチを超えるような大型テレビは、20kg以上あるものが多く重量があるだけでなく、サイズが大きいために一人で持つと重心が不安定になりがちです。無理に一人で作業しようとすると、テレビを倒して破損させたり、ぎっくり腰になったりする危険性が非常に高まります。
安全のため、必ず家族や友人に手伝ってもらい、二人以上で作業するようにしてください。持ち上げる際は、下と側面をしっかり支え、「せーの」で息を合わせ、ゆっくりと動かすことが大切です。
画面への圧力が厳禁である有機ELテレビの非常にデリケートな梱包方法
有機ELテレビは、画素一つ一つが自発光する薄い膜でできているため、液晶テレビ以上に画面が薄く、圧力に非常に弱いという特性があります。画面を指で強く押すだけでも故障の原因になりかねません。
梱包の際は、気泡緩衝材を二重三重に使うなど、通常よりも手厚く画面を保護しましょう。また、ダンボールで包む際も、画面側に余計な圧力がかからないように、フレーム部分で支えるような構造を意識して梱包する必要があります。運搬時も「絶対に立てて運ぶ」「上に物を置かない」ことを徹底しなければなりません。
スタンド部分の形状が特殊なテレビを梱包する際の注意点とその方法
最近のテレビはデザイン性を重視し、スタンドの形状が一本足であったり、左右に分かれていたりと複雑なものが増えています。スタンドを取り外さずに梱包すると、その部分だけが出っ張ってしまい、安定性が悪く破損の原因になります。
可能であれば、取扱説明書を確認しながらスタンド部分を取り外して、別途梱包するのが最も安全な方法です。取り外したネジ類は、小さな袋に入れてなくさないように管理し、スタンド本体も緩衝材で包んで保護しましょう。
テレビの梱包で初心者がやりがちな失敗例とそれを防ぐための引っ越しテクニック
せっかく丁寧に梱包しても、ちょっとした気の緩みや知識不足が原因で、大切なテレビを壊してしまうことがあります。後悔先に立たず、です。
ここでは、初心者が陥りがちな「あるある」な失敗例を具体的に挙げ、そうした悲劇を未然に防ぐための実践的なテクニックをお伝えします。
失敗から学ぶ!テレビ梱包3つの鉄則
1. 画面に直接テープを貼らない!
2. 緩衝材をケチらない!隙間を作らない!
3. 「テレビ在中」の表示をデカデカと書く!
液晶画面に粘着力の強いテープを直接貼ってしまいコーティングを傷つける失敗例
これは最もよくある、そして最も悲惨な失敗の一つです。緩衝材を固定しようとして、手元にあったガムテープやセロハンテープをテレビの画面に直接ペタッと貼ってしまうケースです。
これらのテープは粘着力が強いため、剥がす際に画面表面の反射防止コーティングなどを一緒に剥がしてしまい、見るも無残な跡が残ってしまうことがあります。画面には絶対に直接テープを貼らない、これを徹底してください。仮止めには必ず、粘着力の弱い養生テープを使い、フレーム部分に貼るようにしましょう。
緩衝材が不十分で運搬中の振動によってテレビ画面にヒビが入ってしまう失敗例
「プチプチで一応包んだから大丈夫だろう」という油断が招く失敗です。特に長距離の引っ越しや、段差の多い道を車で運ぶ場合、想像以上に車内は揺れます。
緩衝材が一重だけだったり、テレビとダンボールの間に隙間が多かったりすると、その隙間でテレビがガタガタと動き、振動が直接画面に伝わってしまいます。緩衝材はケチらずに厚めに使い、タオルや丸めた新聞紙などを隙間に詰めて、テレビが箱の中で完全に固定される状態を作るのが重要です。
梱包したダンボールにテレビが入っていると分かる表示をしなかったための破損事故
引っ越しの荷物は数十個のダンボールになります。その中にテレビが入った箱が紛れていると、他の作業員や手伝ってくれている友人が、それを普通の荷物だと思って横向きに置いたり、上に重い荷物を積んでしまったりする可能性があります。
これを防ぐには、梱包したダンボールの全ての面に、赤色の油性マジックで大きく「テレビ」「精密機器」「この面を上に」「衝撃厳禁」といった注意書きをすることが不可欠です。誰が見ても一目で重要な荷物だと分かるようにしておくことが、テレビを守る最後の砦となります。
自分で梱包したテレビを新居まで安全に運ぶための方法と注意点
完璧に梱包ができたら、いよいよ最終関門、新居までの運搬です。自家用車で運ぶ場合と、引っ越し業者に運んでもらう場合とでは、それぞれ注意すべき点が異なります。
ここでは、それぞれのケースにおける安全な運搬方法と、知っておくべきポイントを解説します。
自家用車を使って自分でテレビを運搬する際の車内での正しい置き方
自分でテレビを運ぶ場合は、車の積載方法が極めて重要です。テレビは必ず、画面を車の内側に向け、立てた状態で運びます。後部座席の背もたれや、荷台の側面にしっかりと寄りかかるように配置し、前後に動かないようにします。
シートベルトや毛布、クッションなどを使って、テレビが倒れたり、他の荷物とぶつかったりしないように固定してください。絶対にやってはいけないのが、画面を上や下に向けて寝かせて運ぶことです。走行中の振動が画面全体に直接伝わり、故障のリスクが非常に高くなります。
引っ越し業者にテレビの運搬を依頼する場合に事前に伝えておくべきこと
自分で梱包したテレビを引っ越し業者に運んでもらう場合は、作業員の方にその旨をはっきりと、そして丁寧に伝えることが大切です。荷物を運び出す前に、「この箱は自分で梱包したテレビなので、特に慎重に扱ってください」と一声かけましょう。
また、ダンボールに書いた「テレビ」「この面を上に」といった表示を指差して確認してもらうとより確実です。プロの作業員の方も、中身が何か分かれば、それに合わせた適切な運び方をしてくれます。
万が一の破損に備えるために引っ越し業者の運送保険の内容を確認する方法
引っ越し業者は通常、運送中の荷物の破損に対する保険(運送業者貨物賠償責任保険)に加入しています。しかし、その補償範囲には条件がある場合が多く、「依頼者自身が梱包した荷物」については、梱包不備が原因の破損は補償対象外となるケースがあります。
契約前に、見積書や約款(やっかん)をよく読み、自分で梱包した家電の破損が補償されるかどうかを確認しておくことが重要です。不安な場合は、梱包から運搬まで全てを任せられる、業者提供のテレビ専用プランを利用するのも一つの手です。
どうしても自分でテレビを梱包できない場合の引っ越し業者への依頼方法
ここまで自分で梱包する方法を解説してきましたが、「やっぱり高価なテレビだから不安…」「大型テレビで手伝ってくれる人がいない…」といったケースもあるでしょう。
そんな時は、無理をせずにプロに任せるのが賢明な判断です。ここでは、引っ越し業者にテレビの梱包を依頼する方法について説明します。
引っ越し業者が提供しているテレビ専用の梱包サービスを利用する方法
多くの大手引っ越し業者、例えばアート引越センターやサカイ引越センターなどでは、テレビ専用の梱包サービスを用意しています。これは、業者がテレビのサイズに合わせた専用の梱包資材(繰り返し使える丈夫なテレビボックスなど)を持参し、熟練のスタッフが手際よく梱包から運搬まで行ってくれるサービスです。
見積もりの際に、「テレビの梱包もお願いしたい」と伝えるだけで対応してもらえます。料金は別途発生しますが、その安心感は何物にも代えがたいでしょう。
テレビの梱包を業者に依頼する場合の料金の目安とその確認方法
テレビの梱包を業者に依頼する場合の料金は、テレビのサイズや業者の料金体系によって異なりますが、一般的には数千円から一万円程度が目安となります。大型や特殊なテレビの場合は、それ以上になることもあります。
正確な料金を知るためには、引っ越しの見積もりを取る際に、必ず複数の業者に「テレビの梱包を含めた場合の料金」を確認することが重要です。ウェブサイトの一括見積もりサービスなどを利用して、サービス内容と料金を比較検討し、納得のいく業者を選びましょう。
梱包だけを専門業者に依頼し運搬は自分で行うという選択肢の方法
あまり一般的ではありませんが、梱包作業だけを便利屋や家事代行サービスのような専門業者に依頼するという方法もあります。例えば、単身での引っ越しで、荷物の運搬は自分の車で行うけれど、テレビの梱包だけは自信がない、という場合に有効です。
インターネットで「便利屋 梱包代行 お住まいの地域名」などと検索すれば、地域に対応した業者を見つけることができます。引っ越し業者に一括で頼むよりも費用を抑えられる可能性があります。
まとめ:ポイントを押さえればテレビの引っ越し梱包は自分で安全にできる
今回は、引っ越しにおけるテレビの梱包方法について、初心者の方でも自分でできるように、具体的な手順や注意点を詳しく解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントを改めて振り返り、あなたの引っ越しが無事に成功するためのおさらいをしましょう。
テレビ梱包で最も重要なのは画面の保護と箱の中での完全な固定であること
テレビの梱包で絶対に忘れてはならない最優先事項は、衝撃に弱い液晶画面を徹底的に保護すること、そして運搬中に箱の中でテレビがガタガタ動かないように隙間なく固定することです。
気泡緩衝材や毛布で画面を厚く覆い、巻きダンボールや自作の箱で全体を包んだら、タオルや新聞紙で隙間を埋める。この二つの鉄則を確実に実行するだけで、破損のリスクを劇的に減らすことができます。
購入時の箱がなくてもホームセンターの道具を活用すれば自分で梱包は可能であること
「テレビを買った時の箱がないから自分では無理だ」と諦める必要は全くありません。この記事で紹介したように、カインズやコーナンなどのホームセンターで手に入る巻きダンボールやプラダン、気泡緩衝材などを活用すれば、購入時の箱以上に頑丈な梱包を自分で行うことが可能です。
少しの手間を惜しまないことが、大切なテレビを守ることに繋がります。
事前の準備と丁寧な作業を心がければ自分でテレビを梱包し引っ越し費用を節約できること
テレビの梱包は、決して特別なスキルが必要な難しい作業ではありません。事前に必要な道具をしっかりと準備し、ケーブルの取り外しから画面の保護、ダンボールでの梱包、そして注意書きまで、一つ一つのステップを焦らず丁寧に行うことが成功の秘訣です。
自分で挑戦することで、数千円の引っ越し費用を節約できるだけでなく、大切な家財を自分の手で守ったという達成感も得られるはずです。この記事を参考に、ぜひ自信を持ってテレビの梱包に挑戦してみてください。
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